表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルカディアの境界 ‐空の奏者‐  作者: 絢無晴蘿
Noblesse Oblige外伝 聖ルキアの後悔と鏡の魔王。そして主人公ローズマリア
72/80

かつて人を見捨てた死者



雪の散るソコで、彼女は焔を待っていました。

花弁の舞うソコで、彼女は光を待っていました。

ずっと、ずうっと、待っていました。





具体的な何を待っていたのか分かりません。

ただ、待っていたのです。

自分を自分と認めてくれるなにかを。


誰もいなかったので、ずっと。

自分の真価を知らずに、ずうっと。


元はどこかの誰かだったのですが、どこの誰かだったのかも忘れてしまいました。

この場所にいるのは、彼女以外いません。

何も無い場所だったので、彼女はなにも分かりません。

何も無い場所だったので、彼女はなにも知り得ません。


でも、どうしよう。

私は何かを為さなければならないのに。

何かを助けなくてはならないのに。

何かを――大切な何かを。


ワスレテシマッタ


ずっと、ずうっと、彼女は待ち続けます。


誰かが、ソコに至る日を。

誰かが、その手を差し伸べてくれる日を。


汚泥だらけのその彼女は、罪を背負っていることも知れず、ずっと待っています。



そして、ソコに現れたのは、畏れを知らぬ哀れな鏡の魔王でした……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ