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第4話 ヤマとヤミー

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004 ヤマとヤミー ― 本文

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【原典】 インド(リグ・ヴェーダ)/口承で紀元前 1500〜1000 年頃に成立


    * * *


「わたしは友を、友のよしみへ振り向かせたいの。たとえあの人が大水を越えて、どれほど遠くへ行ってしまっていても。わきまえのある男なら、大地の上のこれから先を思って、自分の父に孫をもうけるものよ」


「おまえの友はこのよしみを望まない。同じしるしを持って生まれた女が、よその女のようになる、そんなよしみは。大いなる主の子ら、天を支える勇士たちが、広くあたりを見ている」


「不死の者たちこそ、これを望んでいるのよ。ただひとりの死ぬ定めの者の跡継ぎを。あなたの心をわたしの心に据えて。夫として、妻の体に入りなさい」


「これまでしなかったことを今するというのか。まことを語りながら、われらは偽りをささやくのか。水の中のガンダルヴァと、水の乙女。われらのへその緒はそこにつながる。われら二人はこのうえなく近い身内だ」


「胎の中でもう、造り主がわたしたち二人を夫婦にしたのよ。うながし、あらゆる形を造る神が。その定めを破る者は誰もいない。地と天が、わたしたち二人のこのことを知っているわ」


「そのはじめの日のことを誰が知っている。誰が見た。誰がここで告げられる。ミトラとヴァルナの掟は高い。みだらな女よ、おまえは男たちに曲がったことを言うつもりか」


    * * *


「ヤマへの恋しさが、このヤミーに来たの。同じ寝床にともに寝たい。妻が夫にするようにこの体をゆだねたい。戦車の両の車輪のように、二人で転がりましょう」


「立ち止まることもなく、まぶたを閉じることもない。ここを歩きまわる神々の見張りは。みだらな女よ、わたしでない男と早く行け。その男と転がれ、戦車の両の車輪のように」


「この女は夜も昼もこの人に尽くすでしょう。太陽の目もひとときならあざむくでしょう。この二人は天と地と同じ間柄。ヤマの身内らしからぬ行いは、ヤミーが負うでしょう」


「のちの世はきっと来るだろう。身内が身内らしからぬことをする世が。雄牛のために腕を枕にしてやれ。幸いな女よ、わたしでない男を夫に求めよ」


「守ってくれる者がいないのなら、兄とは何。滅びが近づくのなら、妹とは何。恋しさに駆られて、わたしは何度もこれをささやくの。あなたの体をわたしの体と交わらせて」


「決して、この体をおまえの体と交わらせはしない。妹に近づく者を人は悪しき者と呼ぶ。喜びはわたしでない男と整えよ。おまえの兄はこれを望まない、幸いな女よ」


「情けない。情けない人、ヤマ。あなたの心も胸の内も、まるで見つからなかった。きっとほかの女があなたを抱きしめるのでしょう。つながれた馬を腹帯が締めるように。木をつる草が巻くように」


    * * *


「ヤミーよ、おまえもほかの男を抱きしめよ。ほかの男もおまえを。木をつる草が巻くように。その男の心を求めよ。あるいは、その男がおまえの心を。そうして幸せな契りを結べ」


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