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第六話 質問攻め

学校が忙しくてなかなか更新出来ませんでした。最近はやや落ち着いてきてるので週2ペースで投稿していきます。今後もよろしくお願いします!

「おはよーお二人さん!昨日のデートはどうだった?」

「ちょ、ちょっと!?」


 俺と笹野さんは同じタイミングで声を上げた。


「おいおいおい待て待て待て!なんで俺達が二人で出かけたこと知ってるんだ!?」

「なんかインスタで二人ともハルカスの写真上げてたからさ?それに美奈ちゃんのやつには颯太が映り込んでたから」

「あっ⋯⋯そういや映ってたような」


 昨日の笹野さんのストーリーをもう一度見てみる。展望台からの景色をあげているが、端の方に俺が映り込んでいる。というかそれよりも、まずさくらを黙らせないといけない。大声で聞いてきやがったせいで、既に登校しているクラスメイト数人から地味に視線を感じる。あといきなり転校生と二人きりで出かけたということが広まるのは避けたい。


「いいかさくら。あれは俺が笹野さんに大阪を案内してあげただけで、決してデートとか付き合ってるわけでわない」

「いや女の子と二人きりは完全にデートでしょ」


 さくらがこう返すが確かにそうだ。昨日も笹野さんと話したが、男女が二人きりで歩いているのは間違いなくデートである。それにあの時、俺は彼女と手を繋いだ。完全にそうである。ここはもう認めざるを得ないか⋯⋯


「それでそれで、どうだったの?手とか繋いだりした?」

「⋯⋯!?」

「ちょ、ちょっとさくらちゃん!」


 こいつ、ピンポイントで当ててきやがった。すると笹野さんは顔を真っ赤にしながら勢いでさくらの口をおさえにいった。


「んんっ!なにすんのっ!」

「一回、あっち行こっか」


 笹野さんはさくらの腕を強引に掴んで廊下に連れ出した。そして残ったのは俺と智光。さくらよりは話をよく聞いてくれるからありがたい。


「それで、昨日何があったんだ」

「いや実はだな⋯⋯」


 俺は昨日の出来事を智光に話した。手を繋いだことは話すとめんどいことになりそうだからそこは隠しておく。


「なるほどな。それで、お前はこれがデートと思っていなかったと」

「思っていなかったというか⋯⋯笹野さんが『男女が二人でお出かけはデートでしょ』って言ってきてから気付かされた」

「向こうが直接言ってきたのかよ。会ってから数日で付き合ってすら無い相手に言えるの度胸あるな」

「それは俺も思った。実際あのときの笹野さんの顔、めっちゃ赤かったし」

「それで⋯⋯いつ付き合うんだ?」

「はあ!?別に俺は付き合うだなんて一言も言ってないぞ?ていうか考えたこともねえよ」

「はは、お前は彼女出来たことないもんな。でも今年入学してきた後輩の幼馴染といい感じじゃなかったか?」

「あいつもただの友達で恋愛感情はない」

「ほーん。じゃあそういうことにしといてやるわ。困ったことがあれば言えよ?恋愛スペシャリストがいつでも相談にのるからな!」

「お前なあ」


 なんでこいつ、こんなドヤ顔出来るんだ。そう思っていたら教室の扉から説教が終わったのであろうさくらと笹野さんが入ってきた。


「いいさくらちゃん?次余計なこと言ったら本当におしばきだからね!?」

「は、はい。気を付けます〜」


 入る時に笹野さんはさくらにこう忠告した。


「颯太、俺あいつと半年近く付き合ってるから分かるけど絶対反省してないぞあれ」

「あぁ、もう口調で分かる。あいつこういう事に関してはすぐにまた言いふらすからな」

「もし言ったら俺がさくらの頭グリグリしとくわ。お前と笹野さんの秘密の関係をバラさないためにな」

「変なこと言うな。まずは俺がお前の頭からグリグリしないとな」

「ちょ、何すんだよ!?」


 俺は智光の頭を5回くらいグリグリした。すると、


「酉島くん、ちょっと来て」


 俺は笹野さんに呼ばれ、俺は人気がない廊下の端っこにあるスペースに連れ出された。俺も何か怒られるのか?そんな事を思っていると笹野さんが俺の方を振り返った。


「酉島くん。私のせいでごめんね、ちょっと面倒事になっちゃって」

「いやいや謝ることなんかないよ。変な憶測を立てたあいつらが悪いから。だから謝らないで」


 そう言うと笹野さんはホッとしたような表情をした。急に謝られて少し困惑したが、もちろん笹野さんは全く悪くない。とりあえず、さくらにも説教をしないとだなと考えていると彼女は顔を少し赤くしながら呟いた。


「それで酉島くん⋯⋯手繋いだことって⋯⋯言ってないよね⋯⋯」

「ええっ!?もちろん言ってないけど。ていうか、言ったらまたあいつらが変な事言いそうだから絶対言わない」

「なら良かった。ほんと、さくらちゃんに『手繋いだ?』って聞かれた時は焦っちゃったよ。なんで分かったんだろう」

「さくらはああいう時だけ無駄に冴えてるんだよなあ」

「大丈夫!さくらちゃんには、しっかりお説教したから!」

「ちゃんと反省してるのか怪しいけどな」

「あと酉島くん。私たちがお出かけしたりしてること、他の子には言わないでほしいな」

「いいけどなんで?」

「その⋯⋯恥ずかしいの!」

「恥ずかしい?」

「だ、だって転校したばっかなのにいきなりクラスの男の子と二人きりでお出かけしたって知られるの恥ずかしいもん!」


 笹野さんはさっきよりも顔を赤くして、やや早口でこう言った。確かに転校してきてからまだ一週間も経ってないのに、そういう噂が出来たら流石に恥ずかしいか。


「わ、わかったよ。絶対誰にも言わない。約束する」

「さくらちゃんと寺田くんにはバレちゃってるからそこはいいけど、それ以外の子には絶対言わないでね。秘密の関係ってことで⋯⋯」


 秘密の関係か。そういえば智光が全く同じことを言っていたな。ただ別に俺達は付き合ってるわけでもなく、ただの友達関係。あいつは別の意味で言ってるだろうし、そこまで深く考えなくてもいいだろう。


「じゃっ、そういうわけで!そろそろ点呼はじまるから戻ろ!」

「そうだな。今日から授業も始まるし頑張るか」


 そう言って俺達は教室に入り席に座った。すると斜め前に座っていたさくらが近づき


「颯太、さっきさくらちゃんと何話してたの?またデートのお誘いとか?」

「お前全く反省してないな。後ろ見ろ」

「後ろ〜?⋯⋯ギャッ!?」


 さくらの後ろには笑顔で詰め寄る笹野さんの姿があった。


「さくらちゃん?さっき言ったこともう忘れたのかな〜。そんな人にはおしばきです!」

「いたたたたた。ごめんって!もう絶対言いません!」


 笹野さんは呆れた顔をしながら席に戻った。新学年になってから一週間も経ってないのに、既に波乱万丈な幕開けとなってしまっている。


 授業が終わりそのまま帰宅する。先週は二日間とも笹野さんと一緒に帰ったが、今日は用事で別の場所に行くらしいので一人でそのまま帰った。今日もバイトがあるので、帰ってきてからすぐに着替えてそのままバイト先のコンビニに直行した。事務室に入るとパソコン作業をしてる店長と、スマホを触ってる水間先輩がいた。


「おはようございます店長、水間先輩」

「うん。今日もよろしくな!」

「二人とも元気がいいねえ。そうそう、今日なんだけど高校一年生の子が面接に来るから、来たらこっちに教えて〜」

「了解です」


 年下か。この時期になると高校大学問わず新しい人がどんどんやってくるから、なんだか新鮮な感覚となる。


「そういえば颯太、お前デート上手くいったのか?」

「だからデート⋯⋯いやデートになるか。でも先輩が忠告してくれたことは守りましたよ」

「ならよし!それでいつ付き合うんだ?」

「だから恋愛感情とかそういうのは無いですって!」


 さくらの次は水間先輩かよ⋯⋯この人はアドバイスをくれるのは嬉しいがさくらと同様にややしつこい。本当にどうにかならないものか。


時間になり、俺達はレジに入っていった。するとすぐにピンポンという入店音が鳴った。


「いらっしゃいませー!」


 俺と水間先輩は仲良く元気にあいさつをする。


「すいません。今日こちらで面接をさせてもらう⋯⋯って颯太じゃん!」

「優愛!?なんでここにいるんだ!?」

「今言ったじゃん。面接って」

「お前本当に来たのかよ」


 俺はため息をついてこう言った。横にいた水間先輩はニヤニヤしながらこっちを向いている。学校に続き、俺のコンビニバイトライフも波乱万丈の展開を迎えようとしていた。


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