カンパネ、二つの誤算
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――カンパネには誰にも言えない秘密があった。
「カンパネ大臣、どうやら遠征に出ていた冒険者たちが無事戻ってくるらしいですよ! これは喜ばしいことです!!」
「ああ、そうだな。うん」
カンパネ・ロラは〝ヒューランド人王国〟の大臣であり、公爵家の人間だ。
兵士からの連絡を聞いて笑顔を見せてから、誰もいない自室へと戻った。
そこで本性を現す。
「くそっ、あの遠征で被害を出さずに冒険者の奴らが戻ってくるだと……!? 良くて半分くらいが消えてくれれば良いと思っていたのに……!!」
カンパネの正体は蟲魔国のスパイで、変身を得意とする魔族なのだ。
普段のハンサムな公爵と違い、今は複眼でギョロッとしたカマキリのような正体を見せている。
このことは誰にも言えないわけではなく、同盟である死魔国の使者や、上司である蟲魔王は正体を知っている。
本当に誰にも言えないのは――。
「それに愛するレイリオン姫が冒険者として潜り込んでいて、危険な目に遭っていたというのか……」
カンパネは人間の姫を愛してしまっていたのだ。
そのキッカケは些細で、最初は小さな愛だったのだが、時間というものがそれを勝手に大きくしていってしまった。
こんなことが上司にバレたら、肉団子にされてしまうのは間違いないだろう。
そのとき、耳のイヤリング型通信蟲が反応した。
「ひっ」
ついカンパネはビクッとしてしまう。
これを使って連絡してくるのは蟲魔族だけだ。
そして、運が悪ければ――。
『カンパネ・ロラよ』
「む、蟲魔王様!!」
その通信は世界で一番恐い上司だった。
立場的な意味でも怖いが、他の意味でも怖い。
それは〝王国制〟とは違い、〝魔国制〟というのは魔王がトップとなるのだが、その選出基準は何か? ということだ。
強さだ。
強ければトップになれる。
それが蟲魔国や、死魔国などの制度なのだ。
つまり、蟲魔王に逆らったら誰も勝てない。
死あるのみだ。
血の気が引いて体温が下がるのを感じる。
その重く威厳ある声で足が震え、今にも逃げ出したくなってくるほどだ。
『そちらでの行動は上手くいってないようだな』
「い、いえ!! それはまだ結果が出ていないだけで……いずれは……」
『ほう、そちらで面白い人間の装備が出現したというのを報告しないのも、いずれと言うのか?』
冒険者の小娘ウリエルが売り込んできた装備のことだろう。
なぜ知っているのか。
兵士を尾行させても撒かれていて、そんな失態を報告できないと後回しにしていたものだ。
『貴様の変身能力を使って潜り込めばよいではないか』
「えっ」
それはつまり、敵地の中心へ行けということだ。
今も敵地の中にいるのだが、入念に下準備をして公爵という地位で何年も活動しているので安定感がある。
それに比べて、仲間を鎧の素材にしてしまうという、想像も出来ない未知数の恐ろしい〝悪魔〟のところへ即興で潜り込まなければならないのだ。
下手をしたらカンパネ素材の鎧が誕生してしまうだろう。
『カンパネ・ロラよ。失望させるなよ?』
問答無用と言わんばかりに通信は一方的に切られた。
カンパネは顔面蒼白となり、その場に倒れて死にかけの虫のように脱力していた。
面白い!
続きが気になる……。
作者がんばれー。
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<(_ _)>ぺこり




