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男も女も湘南ライドで恋を語る勿れ!  作者: 三ツ沢中町
第十章 新たな物語の始まり
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第313話 意外な繋がり

シェアハウスの朝のゴタゴタから抜け出し、春風が登校すると、ある人が待ち構えていた。

 休明けのホームルーム

 

「おはよう、春風」

 昇降口で声をかけてきたのは姉の翔子であった。

「おはようございます」

 

 そう、翔子と顔を合わせたのは、姉であると正体を明かした時以来かもしれない。

 

「春風? 怒ってるの?」

 

 怒ってるつもりはないけれど、あれだけ実姉ではないと否定して来て、

「私は本当の姉なの」

 と突然言われても、

「はい、そうなんですね」

 と受け止められるほど、気持ちは単純に割り切れないのが本音なのだ。

 けれども分かっている。

 翔子さんがそうしなければならなかったことも。

 

「いや、怒ってなんていないですよ」

 素直じゃないね、僕は。

 言われれば尚のこと表現が固くなる。

 

「あっ、あのさ……」

「何?」

「おめでとう、箱根スパイラルの育成選手ね」

「あっ、どうも……です」

「あと、引越ししたんだね。紗矢香から聞いたよ」

 えっ、紗矢香から?

「そうなんだね」

「どう生活は?」

「まあ、何とか……」

「そっか……」

「じゃあ、そろそろ行くよ」

「え、ええ……またね」

 

 春風との関係修復は、まだ先になりそうね。

 

「おはようございます」

 翔子に挨拶をしながら、春風を慌てて追う女子生徒が階段を駆け上がる。

 

「待って! 春風くん!」

 

 振り向いた春風は、息を切らしながら駆け寄って来た常盤結奈に言葉をかけた。

「どうした?」

 と気遣いながら、息を切らしたまま下を向く彼女を覗き込んだ。

 

「何でお姉ちゃんたちのところに引越ししてるのよ?」

 

 その答えはこう答えたい!

「市川先生が全部悪いんだ!」と。

 しかし、冷静になると、やはり恨めしく思えてくるのは、僕の名前の方だ。

 早乙女春風、これはやはり女性の氏名であり、それに関しては意義などない。

 

 あれっ……お姉ちゃんて?

 

 常盤……常盤こころ、常盤結奈。

「えええっ? そう言うことなの?」

「そうなの、こころは私の姉なの」

「世間は狭過ぎだ。いや、そう言う話ではないか」

「お姉ちゃんから早乙女くんのこと聞かれてさ」

「それで何を話してくれたのさ?」

「仲良しで、頭が良くて、自転車やサーフィンやるって」

「それだけ?」

「それだけよ」

 彼女がいるってことは話さなかったんだ。

 だから、今朝の様におかしなことが起こってるんだ。

「ねえ、女子のシェアハウスだと知っていて引っ越したわけじゃないよね? これじゃ女子寮と変わんないでしょ?」

 

 変わんない?

 いやいや、大違いだよ。

 女子寮では寮長だけど、

 シェアハウスではご主人様?

 ……いや、七瀬さんなら奴隷と呼ぶのだろうな。

 

「女子寮とはまったく違うよ、常盤さん」

「えっ?」

結奈  お姉ちゃんから聞かれたわ。

春風  何を聞かれたの?

結奈  あれこれとね。

春風  あれこれね。

紗矢香 次回「憧れる男」でまたお会いしましょう!

春風  誰だ誰だ、モテ男は?

紗矢香 キミのことだよ。

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