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男も女も湘南ライドで恋を語る勿れ!  作者: 三ツ沢中町
第十章 新たな物語の始まり
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第304話 シェアハウスシンドローム

 女子寮からシェアハウスに住居を移した春風は、新たなスタートを切ることができるのか?

「ねえねえ、部屋に来てるんだよね?」

「そうね、見慣れないスニーカーが置いてあったからね」

「女子高生か……どんな子なんだろうね?」

「名前は誰か聞いてる?」

「知らないけど」

「私、知ってる知ってる!」

「教えて教えて!」

「確か早乙女さんだったよ」

「早乙女か……かわいい女っぽいね」

「下の名前は?」

「ええっと……春風って書いてあったよ」

「春風か、またかわいい名前だね」

「ねえ、ちょっと声かけてみない?」

「ひな、今日は積極的じゃんか」

「そうかな? いつもの私よ」

「じゃあ元締めの七瀬さんにお願いしたい人?」

「ハイハイハイハイ!」

「あんたたち……まっ、いいわよ、任せなさい!」

 七瀬は春風の部屋のドアの前に立ち、ノックをしてみる。

「コンコン、早乙女さん」

 

 うわぁ、どうしよう……って、どうしてこんなに怯えなきゃならんのかよ……僕!

 どうするか?

 しれっと性別偽れる程、キャシャじゃないしな。

 出たとこ勝負に意味はないし……素直に事実を伝えようかな。

 あーあ、こんなことなら女子寮の方が何倍も気楽だったよ。

 トホホ。

 

「ねえ、居るんでしょ?」

 七瀬にひなが問いかける。

「ナナちゃんの声に怯えちゃってるとか?」

「ひな! それどう言う意味よ、怖くて出てこれないとでも言うの?」

「そうなのかも知れないよ。だって、ナナちゃんの声、大きいもの」

 みなみがクスッと笑う。

「ふふふ、ひな先輩、ナイスです」

「あっ、ありがとう、みなみちゃん」

 こころが七瀬に話しかける。

「そう言えば、早乙女さんて鎌倉学院だよね、私の妹も鎌倉学院なんだ」

 七瀬がこころに聞き返す。

「じゃあ、妹さんに聞いたら知り合いだとかなるのかな?」

「ん? 早乙女早乙女……どこかで聞いたような……」

「妹さん情報なの?」

「なんか違う気もするし、お母さん? 何か早乙女って言ってたような?」

「じゃあ妹さんの友だちじゃないのかしら?」

 ひながわちゃわちゃした話をまとめるように、

「強引に呼び出しちゃうの可哀想かも? 自分の思いでドアを開けるまで待ってあげませんか?」

 と周りに声をかけた。

 みなみとももが、

「ひな先輩に賛成っす!」

 とひなを支持した。

 これにちょっと待ったをかけた七瀬は、呆れ顔でため息を吐く。

「何でひなを支持する、おかしくねえか? 早乙女さんを呼ぼうって言ったの、ひなだろ!」

 皆はハッとした顔付きでひなを見た。

「あれれ? そうだったな?」

「こらトボケんなよ、ひな!」

「てへへ」

 と笑うしかないひなに、

「ひな先輩、支持します!」

 とこころが冷やかしを入れた。

 

 そんなドアの向こうで盛り上がる声を聞きながら、春風は、どうすべきか、悩み続ける。

 ああだのこうだの、まさにシンドローム。

 

 果たしてドア一枚を挟んで、話はどう展開するのやら?

 乞うご期待!

七瀬 早乙女春風はやっぱ男じゃねえか?

ひな 早乙女くんは女子寮の寮長だったみたいよ!

七瀬 じゃあ女の子かな?

ひな でも、この作品は「男も女も」って位だから。七瀬 男の子ってこと?

春風 次回「関係ないね!」をお楽しみに!

ひな 男の子と生活なんて恥ずかしい!

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