表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
慟哭の時  作者: レクフル
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/363

想い


私が泣いているのを見て、ディルクがそっとそばに来て、また頭をポンポンってしてきた。



「…私は子供じゃないぞっ!」


「そうか?今は子供に見えるぞ?」


「そんなハズはないっ!」


目に涙を溜めながら言うと、ディルクが私の頬を両手で包み込んで、親指で涙を拭って言った。



「こんな大きな目で涙いっぱい溜めて我慢して。アシュレイが小さな女の子に見える。」


「ディルクっ!私の事、女って知ってる?!」


「あぁ、初めて会った時からな。俺にはアシュレイは女の子にしか見えなかったぞ?それに、レクスが回復魔法を使ってたって話していたしな。」


「そうだったんだ……」


「嫌な事されなかったか?」


優しく柔らかな口振りで心配そうな顔をして。


なんでこんなに優しいんだろう……


「…ディルクが助けてくれたから大丈夫だった。ありがとう。ディルク……」


「涙は止まってきたか?」


「あ、本当だ。」


「良かった。」



ディルクが私に微笑む。


すぅって気持ちが楽になっていく…


思わずその顔を見つめてしまう。



「おいっ!2人でイチャイチャすんなよっ!」


「レ、レクス!イチャイチャなんてしてない!」


「もっとイチャイチャしたかったけどな。」


「ディルク、またそうやってからかう!」


「俺はからかった事なんて一度もないぞ?」


「……っ!」


「ところでアッシュ、このセルジってヤツ、どうするんだ?」


「あ、そ、そうだな……」


「俺がこいつの家まで運んで行くよ。」


「良いのか?」


「今こいつに触れんの、俺だけだろ?」


「でもっ、セルジの家、どこか分かるのか?」


「そこらへんにいるヤツにでも聞けば分かるだろ?」


「……お願いします。」


「あぁ、そうだ、アシュレイ。甘えれる時は甘えたら良いんだ。」


微笑んで、ディルクはセルジを肩に担ぎ、去っていった。




ディルクのその後ろ姿を、見送る様に見つめる。




ディルクに顔を触られても、手を払う事なんてしたくなかった。




セルジじゃなくてディルクに……




ディルクにだったら……




でも




それは無理なんだ……








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=849298090&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ