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6話 さよならとだいすき

「隠された闇を垣間見た少女。出会ったばかりで何も知らない少女だからこそ見せられた闇なら出会えたことに意味はあるのだろうか」

「知らん」

「三人は他人から友人に変わった。これは良い変化だろうか?」

「さあな、けれど変化はし続けるものだ。変わらないものはあるのか?」

「それも、そうだな。時間が惜しい存在を確かめに行く」

「居場所が消せれば楽なのだがな」



 二つの羽が空に舞う。


 アーベントとノイテ、二人と過ごしているととても楽しかった。


 二人はたまに出かける時があったけど、すぐに帰ってきてくれる。


 毎日、あたしたちはずっと一緒だった。





 部屋が暑くなってきて夏が来たって分かったら海に行った。

 ノイテとあたしが水をかけあったり遊んでても、アーベントは貝殻を集めてる。


「アーベント、暑くないのかな……」

「ちょっと冷やしてやるか」


 そこにノイテが水をかけてアーベントは水浸し。


「あ……」

「やりすぎた……」

「ソリス、ノイテを沈めるの手伝ってくれる?」

「え!?」

「うわー!!」


 アーベントは笑いながらだけど、怒って集めていた貝殻をノイテに投げつける。

あたしは痛がるノイテを見て遊んでいた。





 それから日にちが経ってちょっと寒くなってきてから


「秋はね本を読むのがいいって」

「何が楽しいんだよ」

「あたしは楽しいよ?」

「王子様に会うのが?」

「うん」

「残念だけど、ソリスは絵本禁止」

「ええ!?」


 アーベントはあたしに食べ物の本をくれて、ノイテには絵本をあげていた。


「楽しいか?」

「ううん、おなかがすくだけ」

「オレも」

「え? 絵本でおなかへるの?」

「え? この男が乗ってる馬って食えねえの?」

「え!?」

「うーん、静かに読むのがいいんだけどな」



 だって……静かに読んでいたら……。


「あれ、寝ちゃった?」


 夢の世界に行っちゃう。





 寒かったのがもっと寒くなってきて冬になると、夜にお布団に入っても寒くて眠れない。

 二人はもう寝たのかな。


「……さむいよ……ねれないよ……っ……っう」


 一人で起きていたら怖くなってきて涙がこぼれる。

 でも泣いてるなんて思われたくないから枕に顔を押し付けてたら両方が温かくなって、狭く感じるようになった。


「え?」

「起きてるから大丈夫」

「こうしたら寒くないだろ。落としたら雪だるまの刑だからな」

「……うん!」


 アーベントは頭を撫でてくれてノイテはほっぺたに流れてる涙を拭いてくれる。


 二人に挟まれてると体も、体の中も温かかった。







 二回目の春。ノイテと見つけたお花畑にみんなで作ったおにぎりをもっていった。


「はい、ソリス」

「わあ、冠! ノイテも作ってくれたよね」

「同じのはいらないだろうから、ほら」


 アーベントは花冠を作ってくれて、ノイテは花の指輪を付けてくれた。


 あたしも何かお返しをしなきゃって思って作ろうとしたんだけど、花びらが落ちていくだけで何も作れない。


「お返しできない……」

「お返しもらわない」

「え?」

「ソリスが握ってくれたおにぎりがおいしかったから。それでいいよ」

「不器用にやらせたら花がかわいそうだしな」

「もう!」



 ノイテは泣きそうになったり、落ち込みそうになったら意地悪を言って助けてくれる。

 アーベントはいつも優しくて、でもたまに怖くて本当にママみたいだった。





 二人と楽しい毎日を過ごして五回目の春。会いたかったはずのママが迎えに来たと知らされた。

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