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ママが迎えに来る。それはあたしが帰ることになったっていうこと。
つまり、二人と別れることになったっていうことなんだ。
「また、会えるよね?」
背が高くなって見上げなきゃいけないようになった二人を見て聞く。
ねえ、答えなんて一言でいいんだよ。
「……難しいかな」
「オレらはここから出れないからさ、オマエのところにいけない」
どうして。
いつもなら優しく言ってくれるアーベントが冷たくて、意地悪で慰めてくれるノイテが真面目に言うの。
「じゃああたしが会いに来る」
「無理だよ」
「場所もわかんねえだろ」
違う。違うよ。そうじゃないのに。そんな言葉じゃ、ないのに。
「……っバカ! っどうして、どうして……」
ただ、会えるって……言ってくれないの。
離れても側にいるとかって嘘でもいいのに言ってくれないの。
なんだか久しぶりに涙を流す気がする。
「嘘をつくのは簡単だけど、会えなかったら――」
「オマエ、もっと泣くだろ」
「泣かないもん! 嘘にならなかったら泣かないもん!」
「ソリス……」
「あのなあ……」
泣いてる時にしてくれていたことをもう二人はしてくれない。
アーベントは頭を撫でてくれない。ノイテは意地悪を言わない。
あたしが外に出てくるために開いた、大木に付けられている扉から誰かが早くするよう急かす声が聞こえてきた。
ここで止まってたらいけないなら、あたしが動いたらいい。
「外に出れたら、会える?」
「え?」
「二人が外に出れたら、会えるの?」
外にいるのに外に出れるなんて変な感じだけど、ここに五年もいたら分かる。
ここは本当の世界じゃない。海に囲まれた部屋と同じなんだって。
「まあ、な」
「会えるかもしれない」
二人はあたしと目を逸らして言うけど、そんなの気にしない。
「それじゃあ、あたしが二人を外に出してあげる! だから、だから……絶対に会おうね! 約束だからね!」
あたしは勝手に約束を取り付けて二人の返事も聞かないで扉に向かって走った。
答えなんてもういらない。さよならの言葉もいらない。ただちょっとだけ会えなくなるだけ。
その間にあたしは二人よりも大きくなる。できなかったことをできるように頑張る。
寂しくない、さびしくない!
全身で思い込んだつもりなのに、あたしの目だけは正直だった。




