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音がした方を振り返った。
逆光で目が眩みそうになる。
音の正体を確かめようと目を凝らしたその時、遠くで何かが立ち昇るのが見えた。
日の光を遮るほどの巨大な何か。
それが砂煙だと気付く頃に、もう一つ、柱のようなものが昇り立った。
──さっきよりも近い。
柱のようなそれは、まるで砂地を跳ねるように飛び上がり、そして潜り込んだ。
近付いてきている。
一つ、いや二つ。
それは近付くほどに数を増やしていく。
まるで地面に張り付けられたように身体が動かない。
「走れ!」
ナイザの声に我に返った。
咄嗟に鳥馬を蹴って走り出す。
前を走るナイザを見失うまいと、必死に鳥馬を駈った。
鳴り続ける警笛と、それを掻き消すような砂が荒れ狂う轟音が響く。
「北だ!」
ナイザが手綱を引いて方向を変える。
着いていくのが精一杯だ。
両翼を激しく羽ばたかせ、全力で駆ける鳥馬から振り落とされないように、必死でその体にしがみついた。
指示を出さずとも鳥馬は走り続けた。
鳥馬にとっても、迫り来るそれは恐怖なのだ。
後ろを振り返る余裕すらなく、ひたすら北を目指して走った。
どれだけ走ったのかわからない。
逃げ切れたとわかったのは、鳥馬がその足を止めて、体を地面に着けた時だった。
辺りを見渡せばすっかりと日は暮れていた。
鳴り響いていた警笛は聞こえず、砂を抉るような軋む音も聞こえない。
鳥馬から転がり落ちるようにして、そのまま地面に身体を放り出した。
荒い息遣いが聞こえる。
皆、無事だ。
助かったのだ。




