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13/24

第12話:激闘の果てとスカウトの眼差し

週間(連載中)ジャンル別で40位!!

めっちゃ嬉しいです。読んでくださりありがとうございます。

2-2の同点に追いつき、勢いに乗るアイントラハト・フランクシュタット。

スタジアムを包む熱気は最高潮に達していた。

「まだ行けるぞ! 勝ち越すぞ!」

ボランチのクリスが味方を鼓舞し、ベンチのヘスラー監督も腕を組んでピッチを凝視している。

残り時間はアディショナルタイムを含めて約5分。対するバイエルン・レヴァークーゼンも、名門のプライドをかけて怒涛の反撃に出てきた。前線へロングボールを放り込み、怒涛の猛攻を仕掛けてくる。

「跳ね返せ!」

フランクシュタットのDF陣が必死の覚悟でボールをクリアする。ペナルティエリア手前でこぼれ球を拾ったのはクリスだ。相手の激しいプレッシャーを受けながらも、彼は前線へ向けて渾身のロングパスを蹴り出した。

(落ちてくる――!)

前線でボールを追うのは、さかき じんとエティエンの2トップ。

ボールの落下地点へ向かって、相手の大型センターバックと迅が同時にスプリントを開始する。

176センチの迅に対し、相手は188センチ。フィジカルで真上から潰しにかかるDFの圧力を感じながらも、迅は爆発的な一歩目でわずかに前に出た。空中戦で勝負するのではなく、バウンドした瞬間のボールの軌道を右足の甲で完璧に殺す。極上のファーストタッチ。

「させるか!」

すぐさま相手DFが長い足を伸ばして追いつこうとする。だが、迅の頭脳はすでに次のシナリオを描いていた。

(僕が打つんじゃない。エティエンだ)

迅は自分でシュートを打つフェイントを入れ、相手DFとゴールキーパーの意識を自分に完全に引きつけると、右足のカカト(ヒールパス)で背後へとボールを流した。

そこへ、圧倒的なスピードで飛び込んできたのはエティエンだった。

「もらったぁ!」

ノーマークになったエティエンが、ペナルティエリア中央から右足を一閃。

咆哮とともに放たれた強烈なシュートは、クロスバーの裏側に当たり、激しい音を立ててゴールラインの向こう側へと跳ねた。

――ゴーーール!!

3-2。土壇場での逆転劇。

直後に試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。

フランクシュタットの選手たちが一斉にエティエンと迅の元へ駆け寄り、歓喜の輪を作る。開幕戦での劇的な逆転勝利だった。

試合後、メインスタンドの関係者席。

そこには、フランクシュタットの「トップチーム(プロ)」のスカウト陣の姿があった。

「あのアジア人の19番……何者だ?」

「ジン・サカキ。昨年ユースに入った17歳の日本人だ。カウンターのスピードだけでなく、相手の守備ラインを操るサッカーIQが極めて高い」

スカウトの男はノートに迅の名前を書き込み、大きく丸をつけた。

「近いうちに、トップチームの練習に呼ぶ価値があるかもしれないな」

当の迅は、汗を拭いながら静かにピッチを後にしていた。

プロへの昇格やスカウトの評価など、彼にとっては些細なことだった。ただ、強者たちとしのぎを削り、己のスピードとインテリジェンスでピッチを支配する――その圧倒的な快感だけが、迅をまた次の戦いへと駆り立てていた

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