三浦兄妹
ツインテールガールが和也の部屋に入ってきた。
彼女の名前は、三浦陽菜。
陽菜ちゃんは、紺色のセーラー服にふくらはぎまで白ソックスを履いている。
黒髪だが、角度や光の加減によっては茶色にも見える。
顔は和也に似て整っているが、目元にはまだ少し幼さが残っている。
和也は慌てた様子で陽菜の方へ向かう。
「陽菜!ごめん。これはな……優人と楽しく話してて……つい熱くなってしまったんだ。」
和也は眉毛をひくつかせている。
「嘘!お兄ちゃんまた、眉毛がひくついてる。それしてる時大抵嘘だから!」
「あっ……」
和也は静かになった。
そして、怨みがあるかのように僕の方を睨みつける。
自業自得だよ。
「優人お兄ちゃん、うちのお兄ちゃんが迷惑かけてごめんね。」
そう言うと陽菜ちゃんは僕に頭を下げた。
「陽菜ちゃん、顔を上げて。僕も大声出してたしお互い様だよ。」
「優人お兄ちゃんは優しいね。それに比べてうちのお兄ちゃんは……」
そう言うと陽菜ちゃんは和也の方をじっと見る。
和也は「なんだよ?」と言いたげな顔をする。
「やっぱり、和也お兄ちゃんじゃなくて優人お兄ちゃんがいい!!!」
そう言うと陽菜ちゃんが僕の身体に飛び込んでくる。
「ぐふぅ!」
僕のポヨポヨボディーに陽菜ちゃんがめり込む。
僕は仰向けに倒れた。
お腹がジンジンと痛む。
「なっ!陽菜!そいつから離れろ。そいつはましろちゃんみたいな小さい子が大好きなロリシスコン魔だ!」
「うるさい、あほお兄ちゃん!優人お兄ちゃんはそんな人じゃない。料理もできて優しいお兄ちゃんなんだ!!」
「俺だって料理できるぞ!ご飯に目玉焼きと焼いたウインナーのせたやつ。陽菜も好きだったろ?」
「違う!優人お兄ちゃんはもっとすごい料理作るんだもん。簡単料理しか作れない2次元大好きお兄ちゃんとは違うもん!」
「3次元も大好きだぞ。」
「うるさい!!!」
陽菜ちゃんの一喝で和也が体育座りをして黙り込んだ。
なんか、可哀想だな。
あと、陽菜ちゃんいつまで僕の身体乗ってるんだろう?
「あの、陽菜ちゃんそろそろ降りてもらってもいいかな?」
「えっどうして?」
「えっ?」
あれ?これはどういう状況だ?
「今日から優人さんは私のお兄ちゃんになったんだよ。」
「なってはないかな?」
「兄妹ならこういうのも普通なのかなって思って。」
そう言うと陽菜ちゃんがさらに僕に密着する。
和也と目があう。
和也が目を大きく開き何か呟いている。
ま・じ・で・こ・ろ・す・ぞ
「ちょっ!?普通じゃないから!あまり年上をからかわないで!」
僕は命の危険を感じ陽菜ちゃんを下ろそうと身体を動かす。
「あはは、冗談だよ。ごめんね、優人お兄ちゃん。」
そう言って陽菜ちゃんは僕の身体から降りる。
「おーい、和也冗談だってよ。」
そう言って和也の方を見るとバットを持った和也がほっと胸を撫で下ろした。
「なんだ、よかった。」
「いや!?お前、今そのバットで何しようと考えてた?」
「うん?あははは。内緒。」
「怖……」
「いや、優人。もし、俺がましろちゃんを口説こうとしたら、どうする?」
和也が不思議な質問をする。
そんなの一択だ。
「ははは、それはもちろん。お前をかち割る!!!」
そう言って僕は鼻で息をしながら和也の胸ぐらを掴む。
「おーい。顔気持ち悪くなってるぞチョコマシュマロ。」
「はっ!」
僕が我に返るのと同時だった。
バンッとドアが勢いよく開く音と共にましろが中に入った。
「お兄ちゃん、帰りが…おそ……い……」
「……」
「……」
部屋が一気に静かになる。
「えっ、お兄ちゃんと和也さんがキ……ス……」
ましろがひくついた顔で僕らを見る。
『ちがーーーーーーう。』
僕と和也が全力で否定した。
「そうだよ。優人お兄ちゃんはそんなことしないよ。」
そう言って陽菜ちゃんは僕らの方に近づく。
あ〜陽菜ちゃんありがとう。
これで誤解が解ける。
「陽菜ちゃん。本当?」
「うん。本当だよ。2人はじゃれあってたの。」
「えっっ……」
ましろがひいている。
『ちがーーーーーーう。』
僕と和也はもう一度否定した。
そのあと、約1時間かけてましろの誤解を解いた。




