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お兄ちゃんの友達

ショッピングモールから家に帰った後、僕は調理器具の手入れをしていた。

ガシガシガシ……ジャーーーーーー

そして、最後の鍋磨きを終えたところだ。


「ふぅー。これでよし。」


やはり、日頃の手入れが料理の質に影響する。

ましろには悪いことをしたのでお詫びに何か美味しいものでも作ろう。


そう思いつつ、僕が冷蔵庫を開けようとした瞬間──

ポコンッ!


LAIMが鳴った。


誰だろう?


僕がLAIMを開くと三浦和也《みうらかずや》からメッセージが届いていた。



ロリ和

『よお、久しぶり。来週家来てくれないか?』


優

『久しぶり。高校の卒業旅行以来だね。どうしたん?』


ロリ和

『いや、ちょっと相談したいことがあってな。頼む!!』


優

『あー分かった。来週金曜日の夕方ならいいよ。』


ロリ和

『おーー、ありがとう。よろしく。』


和也のメッセージを見て僕はスマホを閉じた。


なんだったんだろう?

また、妹と喧嘩をしたのだろうか?

仲直りのため、何かお菓子を用意して欲しいということか。

よし、それなら何か作って持って行こうかな。

お菓子は当日早起きして作れば問題ないか。

何作ろうかな〜。


そう思いつつ僕は、夕食の準備に取り掛かった。



───────

金曜日 夕方17時



専門学校から家に帰ってきた僕は、和也に会う準備をした。


家族には事前に知らせている。


冷蔵庫には昨日煮込んだビーフシチューが入っているので、ましろ達には帰ってきたら温めて食べるように言ってある。


ただましろが「……三浦さんところに行くの?」とやけに不満そうだった。


何故だろう?


僕は考えながら、ケーキが入った箱を保冷バッグに入れた。


まぁ、ましろにケーキを用意してあると言ったら機嫌が良くなったが。


僕は家の鍵を掛け、和也の家に歩いて向かった。


僕の家と和也の家はほんの数軒隣にある。

いつでも会えると思い、なかなか会わなかった。


和也は確か県内の大学の経済学部に入学したんだっけ?

大学デビューして変わっていればいいのだけれど……


そう思っていると和也の家に着き、インターフォンを鳴らす。


「はーーーい。」

高くて綺麗な声が聞こえる。


「すみません。神崎です。」


「あら、優人くん?」

そう言って和也の母さんがドアを開けた。

相変わらず、美人な方だ。


「お久しぶりです。」


「あら、お久しぶり〜。どうぞ、上がって。」

和也の母さんに手招きされ僕は中に入った。


「これ、つまらないものですが。」


「あら!ありがとう。優人くんの手作り?」


「はい、ザッハトルテ作ってみました。お口に合うかわかりませんが。」


「すご〜い。さすが優人くん。」

そう言って和也の母さんはケーキを受け取ってくれた。


和也の母さんに挨拶した後、僕は和也の部屋に向かった。


ノックをすると「おう、入って。」と和也から返事があった。


中に入ると部屋中に美少女キャラのポスターが張り巡らされていた。


そして、和也は夢中でギャルゲーをしている。


髪は少し長いがサラサラ。

目が大きく二重で顔立ちも良い。

ゲームをしていて少し猫背だが身長も180㎝ある。

イケメンとオタクのギャップに毎回頭が混乱する。


「残念……何も変わってなかったか。」


「何が変わってないって?」


「いや、なんでもない。」

首を傾げて返答する和也に僕は真顔で対応した。


「それで、和也。相談ってなんだ?」


「いや、相談とかではないんだ……」

そう言って、和也がスマホをポチポチと操作する。


お願いじゃない?

じゃあ何だ……?


「これはどういうことだ?」

そう言って和也はスマホの画面を見せる。


そこには、フードコートで僕と一ノ瀬さんが2人で話している時の写真だった。


「あっ、それはましろの……」


「嘘をつくなーーー!!!」

僕が言い切る前に和也が叫んだ。


あまりにもうるさかったので僕は慌てて両手で両耳を塞いだ。


「お前、俺に抜け駆けしてこんなかわいい子と一緒とかふざけるなーーー!!!」


「落ち着け、その子はましろの友達だ。ましろがクレープを買っている間2人きりになったんだ。」


「あーそれは、知っている。」

和也は急に真顔になり、俺とましろ、一ノ瀬さんの3人でクレープを食べている写真をスマホで見せる。


こいつ……いつから盗撮してた?


「和也、お前いつから写真を撮っていた?」


「お前が怪しい格好をしていた時からだ。」

そう言って和也が僕が変装した写真を見せた。


「これのどこが怪しい?」

僕は首を傾げた。


僕の言葉に和也は驚いて口を大きく開けている。

「なぜそうなる?明らかにストーカーだろ!!!」


「いや、ストーカーじゃないし。てか、盗撮犯に言われたくない。」


「どうしてましろちゃんはこんなデカマシュマロを兄として好きなんだ!」


「誰がデカマシュマロだ!」


「くそ!俺の方がましろちゃんを幸せにできるのに。」


「実の兄の前で変なこと言うなよ。それに和也お前にも妹がいるだろ?」


「実妹と他の妹は別だ。」


「ロリ変態……」


「優人!お前はどうせましろちゃん達と一緒にクレープ食べて楽しかったんだろ?」


「うん、楽しかった。」


「貴様ーーー!!!」


和也が大声を出した時だった。


「ちょっと、お兄ちゃんうるさーい!!!」

高い声が部屋に響く。


入り口を見ると黒髪のツインテールで紺色のセーラー服を着た女の子が立っていた。


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