05-05 アリア誕生
ソフィアです
お母様が赤ちゃんを出産なさいました
女の子だそうで、お母様共々お元気だそうです。
不義の情事には思うところがありますが、私と血のつながった妹が産まれたというのは心躍ることです。
さっそくお母様のお部屋に伺いました。
赤ちゃんの名前はアリアに決まったそうです。
お父さんであるユリアさんと連絡を取り合って決めたとか。
お母様は私をからかうように仰います。
「先日は私の不義を怒っていたようだけど、この子はいいのかしら?」
「いいんです、アリアちゃんは私の大切な妹なんですから!」
お母様は私のでれでれ顔に可笑しそうに微笑みます。
アリアちゃんは父親であるユリアさんと同じ浅黒い肌に黒い髪、オレンジの瞳です。
おっぱいを飲んで眠ったり元気に泣いたりしています。
要するにとてもかわいいのです。
「お母様、この子に触ってもいいですか?」
「まだ首が座っていないから抱っこはダメよ」
私はアリアちゃんの小さな手に指を伸ばしてみました。
小さな小さな指が私の指を握ります。
(…おね…え…ちゃん…)
「え!?」
脳裏に響いた幼い声に、お母様と私は顔を見合わせました。
「ソフィア、指を離して!」
お母様が仰いますがアリアちゃんは私の指を放してくれません。
私の頭の中がぐにゃっとしました。
アリアちゃんはようやく私の指を放して眠ってしまいました。
「今のは…因果の糸…よね?まさかこんな時期から使うなんて。この子は大丈夫そうだけど、ソフィア、あなたの体に異常はない?」
私の瞳から無意識に涙がこぼれます。
「…思い…出し…ました もう…無理…だと…思って…いたのに…」
それは私が異能を使い王都を救った代償に失ったはずの大切な記憶。因果の糸の反動は何をもってしても取り返しがつかないはずなのに…
私はお母様に言います。
「アリアちゃんは将来ローナ王国の魔王となるべき子です。
この子が持つのは、私達の因果の糸の限界を超える、とんでもない力です。
もしかすると魔族の行き止まりの運命を救うかもしれません。
私もアリアちゃんがまっすぐに育つよう力を尽くします。
お母様もこの子が無暗に異能を振り回さないよう気をつけてあげて下さい」




