04-15 王族会議
「……この子の父親はエレインお婆様の下の食用人間、ユリアです……私は運命のヒト、ユリアを愛しているのです。」
「恥を知れ、愚か者め!」
クラウスです。
王族会議は最初から大波乱になりました。
「痴れ者め、今この場で手打ちにしてくれよう!」
「お待ち下さい陛下、セラルドの子供は私と同じ能力を持つと思われます。胎児といえど命の危機には能力を発現させる危険性があります!」
リマド様が陛下を制止しました。
「それは、もはや堕胎もできぬということか!ならば、セラルドを廃嫡し子供と共に幽閉せよ!」
エスティーカ姫様が割り込みました。
「陛下、お待ち下さい。お母様の何が罪なのでしょうか?食用人間の子供を身籠ったことでしょうか?ならば、同様に食用人間の子供である私も処罰して下さい!
たった今頂いた紫光勲章を返上し、私も咎人として処断頂きますようお願い申し上げます。」
「悲しいことを言うな、妹よ……」
陛下が玉座に座りました。
「其方と私は表向きは祖父と養孫であるが、同じ母から産まれた兄妹なのだ。これでも私は其方を気にかけているのだよ。」
「しかし、セラルドが男に溺れるなど信じられませんね。」
リマド様の呟きにルーテシアさんが手を挙げました。
「もしよろしければ、私がセラルド様のお心をお読みしてみましょうか?」
リマド様が許可し、ルーテシアさんがセラルド様の手を取りました。
「……これは……洗脳の気配があります。それも、強力な薬物を使った念入りなものです……幼女のような姿、金色の瞳……狂気のような信念……」
「またしても母上か……私が甘かったのか……己が孫にまでか……」
陛下が溜息とともに後悔の念を漏らします。
「エスティーカよ、セラルドの処罰は保留しよう。この子も犠牲者のようだ。」
姫様の顔のこわばりが緩みました。
「だが、セラルドが不義の子供を身籠ったのは事実、スミカよ、セラルドと離縁するならば許す。その場合でも其方を養子として王家に留め置くつもりだ。」
「いいえ、私はセラルド様と別れるつもりはありません この身命はセラルド様に捧げました 洗脳されているのならばその傷ついた心に寄り添いたいのです。
不可抗力の妊娠を理由にセラルド様の即位を詰る者は、私が許しません。」
「しかし、其方はルーテシアとの生活もあろう、王国を救った彼女を疎かにすることは私が許さん。」
「お父様を2つに分けるわけにもいきませんし……」
エスティーカ姫様が呟きました
「それでは、割けてしまいましょうか?」
リマド様の軽い言葉に、陛下をはじめその場の皆が絶句しました。




