01-06 告白
なんてことを!主である私の許可も無く引き受けてしまうなんて!
私にだって分かります。今回は人間の叛徒の掃討だけではなく伯爵を殺されいきり立つ第三軍の武将が待ち受けているのでしょう!?
あなたは昨夜の戦いで疲弊し抉られた左目に受けた毒だってまだ抜けきってはいません。私が与えた欠片もまだ定着しきっていないんですよ?
一人一人は伯爵ほどではないにしても数でかかられたら苦戦どころではないはずです。
それなのにお父様は今後第三軍の武将を殺すことを禁じるだなんて……
私が今からお願いして……大丈夫?そんなはずはないでしょう!?
現にこうやって座り込んで……
きっと今度のことはお父様……もしかしたらお母様も……によって仕組まれたのですね。
私の将来の危険となる伯爵を排除し、あなたという強大な武力を見せつけることで私の地位を確固たるものにする。
あなたが私のために手を汚し泥をかぶってくれることには感謝しています。
お母様にそう命じられましたからね。
でもこれは私の道なのです。あなたが私のために生き、戦い、傷ついて手を汚すなら私も一緒に戦い、傷ついて手を汚したい。そしてあなたと生きたい。
あなたが私の向こうにお母様を見ているのは知っています。
あなたたちのつながりが生半可じゃないものだろうとも感じています。
でも私はお母様じゃないんです。お母様の姿のその向こうの私の心を見てほしい。こんな形でもあなたの中に居場所を得た私の魂を感じてほしい。
スミカ、私はあなたが好きです!大好きです!どうかお母様じゃなくて私を愛して!止まらない涙の温かさを感じて……
恋に、落ちた気がした。
僕の心の氷にひびが入り、溶け堕ちていく。
姫を泣かせる者を排除するだって……?
最も深く悲しませているのは僕じゃないか……
頬に触れた僕の手に驚き、姫が顔を上げる
姫、出立の前ではありますが今宵お伺いします。よろしいですね?
少女は「はい」と答えた。




