04-10 業火
ソフィア姫様付き侍女組リーダー、シャーリーです。
アネットは再び猛然と撃ち始めました。
でも、傍目にもだんどうだんを見つけるのに苦労している様子です。
彼女を責めることなどできません。
数百ミーレも先の不可視化された飛行物体を発見できるのはアネットぐらいなのですから。
とうとう迎撃場所は王国の領土上空になってしまいました。
はんぶっしつ弾による迎撃の爆発は毒の光を発するので、最低でも上空20ミーレで撃ち落とさなければならないのです。
高度は大丈夫でしょうか?爆発の下に住む者達が心配です。
でも、どうしようもありません。
アネットは弾の速度を上げるため、魔力の注入量を増やしました。
魔力供給を支援している魔術師達に、過剰放出で倒れる者が増えてきました。
「ああっ!?」セシルが突然声を上げました。
連射で高温になった予備銃の銃身が、冷却中に砕けたのです。
アネットが叫びます。
「代わりの銃がダメなら代わりの弾倉を早く!セシル、この銃を冷却して!
目標はあと8つ!この銃があと少しだけ持てばいい!」
私たちは祈るようにアネットの迎撃を数えます。
8、7、6、5、4、弾倉交換、3、ガキン!?あと2つなのに!
アネットの方に振り返ると、彼女は必死に銃のレバーを引こうとしています。
「ダメ!かじりついた!」
アネットは拳銃を抜きました 一瞬で全ての弾を撃ち放ちます。
「最大加速!」
だんどうだんのひとつがばらばらになるのが見えました でももうひとつは……
「ごめんなさい姫様……もうダメです……」
最後の一撃で全ての魔力を使い果たしたアネットは音もなく倒れました。
そして私たちの目の前でだんどうだんは爆発し、光が私達を呑み込みました。




