04-06 脱出
ルーテシアです 連日拷問は続いています。
耐自白剤薬、耐覚醒剤薬は飲んでいますが、正直私の正気が限界です。
幸いな情報が得られました。モナーク王子が痺れを切らし、自ら尋問の場に来るというのです。
その朝、私は新しい服を着せられました。王子は私の嘔吐や汚物にまみれた姿など見たくないのだそうです。お前が言うな!
でも連中のやることは同じでした。自白剤に混ぜる向精神薬を増やして身体の苦痛も増やすのです。
耐自白剤薬、耐覚醒剤薬は精神を保護し依存症を緩和してくれますが、その時点での苦痛は変わりません。
本気の悲鳴が私の口から漏れます。
モナーク王子がつまらなさそうに私に言います。
「お前の苦痛は魔族のせいだ。いい加減あいつらへの義理立ては止めて全部吐いてしまえ。楽にしてやるぞ。」
「魔族のせい!?ふざけるな!全部お前らメルデオラのせいだ!さすがは王家の血を引かない下賤の出の王子様!命令も下劣だわ!
お前なんて母親が尻を振って母子共々前の王に拾ってもらったんじゃないか!もし私に魔族とのつながりがあれば、お前の下賤な母親の墓を掘り起こして骨を犬に食わせてやるわ!」
あの子から聞いた挑発用の情報を叫びます。
モナーク王子の怒気に、拷問官吏が私から離れました。かかった!
「私のみならず母上までも貶めるか!
モニカ!この女の眼をえぐれ!くそっ、いないのか!?肝心な時に!」
「あら、さすがは下賤の出の王子様、勇気も下劣なのね!ママのスカートの陰からじゃなければ小娘一人殴れないのかしら?」
「このガキャア!」
私の顔にモナーク王子の拳が当たりました 馬乗りでさらに殴られます。
激痛と共に王子の持つ機密情報が全て私の脳裏に浮かびます。
かくだんどうだん……ほうわこうげき……?王都の南方人工作員……新しい病気……?
もう長居は無用です。口の奥に入れてあった、あの子がくれた筋力増強剤を噛み砕きます。
私に馬乗りになったモナーク王子を黒服共の方に投げ飛ばし、私は扉に走ります。
途中で鍵を持っている男を殴り倒して鍵束を手に入れます。
逃走経路も、私を独房から拷問部屋へ運んだ黒服達から全て読めています。
何としても脱出してスミカ様に情報を伝えないと!




