04-04 拷問
メルデオラ王国軍警、突撃制圧部隊第一中隊長アーマス・ライト大尉である。
先日捕縛した魔族の手先と思われる女は、マリナ・プレセアと名乗り、自分はメセドの没落貴族の娘で、親の借金のカタに売られるところを姉シエナと二人でこの国に逃げてきた、魔族とは無関係だと言い張っていた。
探知の結果、マリナに魔族反応は見られず、人間であることが確認された。
だが、ただの一般人の捕縛でホテルが1件全焼し、宿泊客・従業員32人に加え私の部下が5人も犠牲になるなどあるはずがない。
このため、自白薬の使用が許可された。投薬はかなりの濃度まで上げられたが、マリナは口を割らなかった。何らかの対抗薬を服用している可能性もある。
モナーク殿下のご指示で拷問が開始された。
マリナに自白剤に加えて向精神剤を投与し、身体的苦痛も併用して心を折るのだ。
マリナは苦痛と薬物による幻覚に泣き叫んでいた。
魔族の諜報容疑者とはいえ同じ人間の少女にこのような惨い仕打ちをするのは正直心が痛む。だが、モナーク殿下のご命令である以上止むを得ない。
マリナは恐らく正気でこの建物を出ることはできないだろう。
せめて少しでも早く自白してほしい。
一日の拷問が終わった後、マリナは独房のベッドに放り捨てられる。
どうせ次の日も同じことになる。身支度を整えるだけ無駄なのだ。
困ったことに、モニカがおもちゃを見つけたように独房に通うようになった。
あいつは殿下のお気に入りをいいことに勝手が過ぎる。
マリナを切り刻ませるわけにはいかないのでナイフは取り上げたが、それでも時々房内からマリナの悲鳴が聞こえてくる。
慌てて部下が飛び込んだところ、モニカはマリナの頭を押さえつけて無理矢理に口に水を流し込んでいたらしい。拷問の真似事でもしているのだろうか?
マリナには魔族が我が国の計画をどこまで掴んでいるか白状させなければならないのだ。殺してはいけない。モニカの監視を強化する必要があるだろう。




