03-05 尋問
アネットです。
囚人のルーセントは元武装旅商人とのことで、万一のことを考えてソフィア様には自室でお待ち頂き、エスティーカ様、クラウスさん、私の3人で牢で尋問を行うことになりました。
(お許しを頂いたので以後エスト様、と書きます)
監房の前でエスト様はイリスのハンカチを投げました。ルーセントは真っ青になって叫びます。
「フライ!貴様が娘を、イリスを売ったのか!?」
「下衆が!」エスト様の杖から雷が走りルーセントを打ちすえました。
「貴様の娘は自ら城に来てソフィア姫に父の命だけは助けてほしいと訴えた。
大罪人の娘は連座で死罪だ。
大方、母方の親族が厄介払いに唆したのだろう。」
ルーセントは愕然として鉄格子にすがりつきうめきます。
「た、頼む、いや、お願いします。イリスは妾の子で正式な我が家の子ではないんだ。
私はどうなってもいいからイリスだけは助けて……下さい。」
「どの口が言うか!私の助けて、を見捨てた男が!」
エスト様の激怒と共に雷が何度もルーセントを打ちます。
「貴様の娘というだけで十分だ、貴様らが私にしたようにした後、獣に食わせてやる!今の私は王女だ、その程度容易いことだ!」
崩れ落ち涙を流すルーセントにエスト様は続けます。
「だがな、貴様の娘は助ける。
何故だと思う!?ソフィア姫がそう願うからだ!
あの子も貴様らの襲撃で負傷し恐怖を味わった。なのに自分が知らないことで死罪になるのはおかしいと貴様の娘を庇っているんだ。
甘いと思うかもしれない。
それでもその甘いお方に私は罪から救われたんだ!その上やさしい義父母も頂いた。
王女の地位と未来さえも頂いた!だから貴様らへの怒りを飲み込んで助ける。
分かったか!」
クラウスさんが続けます。
「そのためにはあんたが魔族の役に立たないとね【テルミヌス】知ってるよね?」
ルーセントは顔を上げました。「何を……?いくらなんでもあれは与太話の類だろう……?」
「いや、連中は本気らしい。この大陸の人間を鏖殺することで魔族も滅ぼすとかいう、本当に馬鹿げた計画だ。
娘を助けたいなら知っていることを全て吐け。」
「そんな……あいつら……」
観念したかのようにルーセントはクラウスさんに何かを話しました
尋問の詳細、特にエスティーカ様のお言葉をソフィア様に語ることは禁じられました。




