03-00 花壇にて
「あはは、きれい~!」
「エスト、ご機嫌だね?」
「そりゃそうだよクラウス君、ソフィアちゃんからここの向日葵のお話を聞いてずっと見たかったもの。
私、ここ本館には入れなかったからね。
今はセラルドお母様の娘だから万事問題なし!
王家の姫として侍女もつけて頂いたんだよ。今日の当番はトナエ、ソフィアちゃんの侍女トエリの従妹だね。
あっ、クラウス君向日葵を切ってくれるんだ、ありがとう。
え?なに?ひそひそ話?」
「また人類解放同盟が動いてるようだ。
この間、白髪の悪……スミカ様に5人も勇者を捕まえられてかなりのダメージだったから活動方針を変更するんだとか。
不意打ちとはいえ勇者5人がスミカ様相手に何もできず、その上殺されたのではなくて捕縛だからね。衝撃が大きかったらしい。
それで新しい方針は、反乱や魔族要人の暗殺ではなく最後の手段を使った殲滅、要するに牧場と街の人間を皆殺しにすれば魔族も滅びるってことらしい。
最後に僅かでも人間が残っていれば勝ちだってさ。何を考えているんだか……」
「ちょっとクラウス君、それ何?昔の仲間とつながってるの?」
「違うよ、向こうが勝手に接触して来たんだ。多分僕が使えるのか探っているんじゃないかな?」
「そうなんだ、でもそんな大事なことをお母様に報告しないってどういうこと?
捕まった時のことでまだすねてるの?それともクラウス君は人間だからやっぱり人類解放同盟の味方なの?」
「僕はあいつらの味方じゃないよ。でもこの王国に忠誠を誓ったわけでもない。
僕はエストの味方さ。僕の勇者だった時の通り名はフライ、故郷アルマニの言葉でフライハイト…自由って意味。だからその通りに生きてる。」
「分かった、クラウス君を信じるよ。でも話の内容はお母様に報告するからね。」




