02-SS-13 国交
セラルドです。
スミカと一緒にお父様やお母様とお話していた時、お父様がふと思いついたように仰いました。
「スミカ、其方は自分の力でこの世界に来たのだからアドウにも戻れるのではないか?」と。
「はい…そういえば戻れますね。」スミカが答えました。
「我が妻と娘婿の故国なのだから、アドウと国交が開けるのではないか?国力はどちらが上だ?」
お父様は興味津々です。
「率直に申し上げますが軍事力、技術力ではアドウが上です。しかしこちらには因果の糸を操るリマド様がいらっしゃいますから、こちらが圧倒的に有利です。」
「陛下、いっそアドウを支配下に置きますか?」
お母様がいなくなってアドウ王家が大喜びしたと聞いたお母様が黒い笑顔を浮かべます。
「管理が行き届かない並行異世界では、直接支配はデメリットが大きい。技術や人材を搾り取れるだけ搾り取る、あたりが最上だろう。」
お父様が方針を決定されました。
暫くしてお父様とお母様の親書を携えてスミカがアドウに戻りました。
アドウ王家や内閣はお父様の親書で並行異世界の魔族という存在に驚き、お母様の親書で「危険物が健在」と知り大騒ぎになったそうです。
おまけにお母様が魔族の王、魔王の王妃という事実に頭を抱えたとか。
そのせいか交渉はこちらの有利に進んだそうです。
スミカはアドウの宝剣や銃や砲などの新しい武器、魔術書を含む多くの書物、そして異世界ローナに赴き人を喰らう魔族になっても良いというアドウの王族や官僚、技術者、学者を連れて戻ってきました。
魔族は人口が増えにくいので血を受けてくれる有能な人材は大歓迎です。人間に戻れないけどいいのかしら?
当分はこちらの位相座標は極秘にするとのことです。
お父様とお母様とスミカは、次は何をもってこようかと悪い顔で相談しています。




