2/23
01-01A スミカとリマド 前編
リマドは故郷を襲った魔神を彼女の異能で滅ぼし、反動で時空の彼方に消えた。
この半年間、僕は王家の宝剣と並行世界を移動する宝珠を持ち出し、リマドを探し求めていくつもの異世界を旅した。
ここは人食いの魔族が人を統べる地。角も尻尾も無いのが識別に厄介だ。こんなところにリマドがいるはずが無い……いや、見つけた!?
リマドはあの日と変わらない様子で散歩していた。
「リマド、アドウに帰ろう!」
リマドの手を取った僕は魔族の兵に取り囲まれた。
護衛兵といっても大した数ではない。いっそこの都市ごと滅ぼすか?
「あなたは誰ですか?」背中からか細い声が聞こえた。
あっけにとられた僕は瞬く間に魔族に取り押さえられていた。魔族の兵士が剣を抜くのが見えた。
「やめなさい。」
魔族の後ろから声がかかった。
セイド王后陛下?リマドの母君?いや、王后陛下にしては若すぎる。アドウ王国におられるはずの方だ。こんな場所にいるはずがない!では、あの方は誰だ!?
さらに戸惑った僕は捕縛されて彼らの城に連行された。




