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02-00-1 魔王の戯れ

セラルドです。

スミカが人間の反乱鎮圧に赴くと、外見が女の子のせいか嘗められて降伏してもらえず人間が減ります。人間は貴重な労働力です。食用人間の飼料を育てて納税してもらわなければなりません。

武術は未熟でもいいが強面の降伏勧告役が必要だろう、とお父様は考えました。

スミカはお父様に呼び出されました。第三軍の責任者である私も一緒に行きます。

玉座の間には重臣も集まっていました。お母様と、珍しくエレインお婆様もいらっしゃっています。


お父様はブランド前伯爵ヴァルターを呼びました。私を手籠めにしようとしたブランド伯爵グライフの父君で現在謹慎中の方です。

「其方の息子は王族叛逆の咎で討ち取られた。本来であれば一族にも連座が及ぶところではあるが、母上のたっての願いで本人だけの罪とした。今は亡き其方の兄に感謝せよ。」

前伯爵は低頭し謝辞を述べました。

「して、其方の孫はどうか?」

前伯爵は驚いて辞退します「あれは武術はからっきしで読書が好きな我が家の家風に合わぬ愚か者。」と。

一応見てみたい、というお父様のお言葉でブランド伯爵の息子バラッドが呼び出されました。


「ほう……」

お父様は感嘆の言葉を上げます バラッドは前伯爵の言葉に合わぬ偉丈夫でいかめしい顔つきです。

「バラッド、武術の心得はあるか?」

お父様の問いにバラッドは

「父より無理に鍛錬をさせられておりました。許されるならば文官を志望したかったのですが」と答えました。

「心得があるならば尚良し、してバラッド、そこのスミカは其方の父を討った者である、存念を述べよ。」

お父様の言葉にバラッドは遠慮がちに答えます。

「父は咎人、さらに御前にて申し上げることではありませんが、私は父の意に添わぬ愚息として厳しい扱いを受けておりました。ですが実父は実父、複雑な想いです。」

「ならばバラッド、スミカとの模擬戦を命ずる、打ち倒して父を超えてみせよ。勝てばセラルドの娘を嫁に遣わしてもよいぞ。」

お父様の言葉に私は思わず立ち上がりました。

「お父様!まだ産まれてもいないどころか性別さえ定かではない我が子になんということを!」

「子供?……セラルド?お腹に子供がいると申したか?」

お父さまがおろおろして言います。重臣の皆様の目も思わず押さえてしまった私のお腹に集まります。

私、やらかしてしまったみたいです……

スミカのやらかし癖がうつったのでしょう、スミカが悪いんです!


重臣たちがざわめく中、お父様は咳払いで黙らせました。

「セラルド、その話は後で聞く。バラッド、スミカ、模擬戦の準備をせよ!」


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