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01-SS-05 狂気

我が名はエレイン。

父魔王エイバルの一子として魔族エルセイン王家に生まれ、若き日に魔王に即位した。

この身に潜む魔族の血とかいうものが濃かったようで、早期に身体の成長が止まった。

知らない者の目には少女に見えるようだが、もうじき曾孫が生まれる。

幸い相手を見つけ、子をなすことができた。息子は今現在魔王としてこのローナ王国を治めている。


息子は妃を迎え、孫娘が生まれた。孫娘も夫を得て間もなく曾孫が生まれる。

一般的な評価としては私は魔族として立派に役目を果たしたと言えるのだろう。


だが、否と叫ぶ声が私の中にはある。私の一生は魔族の血とかいうものに縛られ振り回された。

私はこの魔族の血とかいうものを知りたい。

知ってもきっとどうにもならないのだろう、もしかすると曲りなりにも安定を保っているこの王国を揺さぶることになるのかもしれない。


私は自分自身を使って実験を始めた。

息子が眉を顰めるのを無視して食用人間の雄を囲い、成長が止まったこの身体で子がなせるかを実験した。

魔族が、それも王族の女性が食用人間の雄と子供をなすなど忌避される行為だ。


そして成功例を得た。娘が産まれた。

必要なのは高純度の魂飲料を一定量以上摂ることだったのだ。

だが、生まれた娘はやはり人間の魂を求める魔族だった


これが何を意味するのか私は知りたいのだ。母体が魔族の血が濃かった自分だからなのだろうか?

間もなく元人間を父とし、元人間を母方の祖母とする子供が生まれる。

魔族の血を後天的に得た者の子供は、血の影響が少ないのかもしれない。

可能であればこの子供、私の曾孫を人間と番わせたい。

そしてどんな子供が生まれるのかを知りたいのだ。


これは私をお婆様と慕う孫娘への裏切りになるのは承知の上だ。

だが私は知りたいのだ。この身の運命の意味を、魔族という歪な存在の正体を。


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