24 Jeu de Paume は「手の平遊び」の意
集合場所はロザリナ様とリヴィアの家の庭園に指定された。到着するとすでに花壇の間にネットが張られている。真ん中が弛んでいるのが気になるが、簡易テニスコートの雰囲気が出ている。
「パウロさまあ!」
白装束のリヴィアが庭園の花畑を駆け寄ってきた。彼女はとても少女然とした見た目なので、この景色がすごくよく似合っている。
「初めてとお聞きしましたので、手袋とボールもこちらで用意いたしましたの。それではリヴィアと遊びましょう、ね!」
「そうだね、遊ぼう!」
ぱあっと笑顔になったリヴィアが、バスケットに入った革手袋一組といくつかの白いボールを差し出してきた。ボールを触ってみると、どうやら皮に羊毛を詰め込んでできているようでとても軽い。
「パウロ様、そのご格好とても似合っていらっしゃるわ」
似合うって言っても、日差しが眩しいので日よけの帽子に白っぽい綿の服を着てきただけだ。パウロなら絵になるだろうとは思ったけど。ピエトロ流の半ズボンは、タイツを履くのが少し恥ずかしいので避けた。
「ありがとう、リヴィアも可愛いよ。」
リヴィアは白い服が似合う。舞踏会できていたピンクに比べると、元気さを失わないまま純真な感じがするからかな。
「ありがとうございます。嬉しいわパウロ様。」
「どういたしまして、それじゃ準備運動しようか。」
「準備?網はもう貼ってありますよ。」
準備運動という概念はあまりないみたいだ。リヴィアにボローニャ大学で教わったと言いくるめて、リヴィアの前で屈伸伸脚をしてみせる。
「パウロ様の前でそんな破廉恥なことできないわ!」
そっか、確かにリヴィアの運動服はあまり丈の長くないワンピースで、そういうのも気になるお年頃なんだろう。覚えている準備運動で、スカートでも問題なさそうなものをピックアップして教えてあげたが、上半身をねじったりするだけに終わった。
「さあ、ボローニャの儀式も終わったことだし、ゲームを始めましょうパウロ様、ね!」
儀式じゃないんだけど、続けてくれるといいな。
「Tenez」
二人とも配置につくと、何やらフランス語らしい掛け声をかけてリヴィアがサーブしてきた。意外と弾まなかったので、屈むようにしてボールをすくう。
「それっ」
よし、向こうにボールを返せた。パウロの体でスポーツするのは初めてだったが、有馬晴樹と背格好が変わらないからか違和感は全くない。
「パウロ様、上手!」
リヴィアも慣れているようで、しばらくは公園でするバドミントンのようなペースでゲームが続いた。




