表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/105

━━━第七章・白き三ツ鱗と黒き震皇━━━ 14


白露しろは……、朝廷に裏切られ……、殺されたという訳か……。虚しい事よのぅ……】

 黒露くろ大蛇おろちは、光房みつふさの記憶から情報を引き出したのだろう。その言葉──いや、頭に直接テレパシーのように響いてくる声に、どことなく哀愁と怒りを感じた。

白露はくろ様を殺したのは、てめぇが取りいてる人間のくわだてじゃねぇかよ!」

 勇気を振りしぼって言い返した双七そうひちを、嵐のような威圧感が襲いかかる。彼は、踏ん張るのが精一杯だった。

【ハクロ? あぁ……、吾輩わがはいを封印して、破黒露はくろと呼ばれていたのだったな……】

 朝日を仰ぎ見た黒露くろ大蛇おろちは、首の骨をコキリと鳴らした。すきだらけにも関わらず、誰も攻撃を仕掛けようとは思わなかった。生存本能が、近づく事さえ拒否するのだ。

【だからこそ……、人間は救いようがないのだ。神が手綱を握ってやらねば何もできん、哀れなムシケラなのだよ……】

「それで……、アナタ様が天下を牛耳れば、全てが丸く治まるのですかぁ?」

 小馬鹿にした口ぶりで問いかけた厳時げんときは、辺りに渦巻いた威圧感を──柳のように飄々《ひょうひょう》と受け流している。あらゆる意味で、さすがとしか言い様がなかった。

【その通り……、この世は吾輩わがはいが作り直すのだ……】

「残念ながらアナタ様の思い通りにはいきません。白露はくろ様はその為に、我らうろこの<もののふ>をのこされたのですから!」

【では……、その力で吾輩わがはいを倒して見せよ……】

 会話はそこで終わりだった。

 ついに、天下の命運を賭けたラストバトルが始まる。


 先に動いたのは、黒露くろ大蛇おろち

 おもむろに鎌槍を掴んだ刹那、その姿がかき消えた。

「どこ行きやがった……?」

 背後から膨れあがる重圧感──振り向くいとまなど無い。何も考えず、右斜めへ転がり込んだ。

 縮地しゅくちを使った黒露くろ大蛇おろちが、血に濡れた女刺めざしの鎌槍かまやりが、双七そうひちの立っていた空間を貫く。

「ちっき……しょ」

 引き続き、敵の追い打ちが迫って来ている。殺気と気配でそれを感じ取ってはいたが、彼にはどうしようもなかった。

「簡単には、ヤラせませんよぉ!」

 厳時げんときが、甲羅割こうらわりの大薙刀おおなぎなたを遮断機のように倒す事で、双七そうひちへの追撃を中断させる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ