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『反逆の咎人(とがびと)勇者 〜仲間に裏切られ追放された俺は、邪神の力を喰らって真の救世主(魔王)となる〜』  作者: 白狸
第1部 王国崩壊編 第3章【狂国の終焉編】〜玉座にすがる愚王と、機神(化け物)に堕ちた偽勇者〜
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【機神融合】化け物に堕ちた偽勇者

――ドゴォォォォォォンッ!!!


王城の最奥、『玉座の間』を閉ざしていた数十センチの厚みを持つ重厚な扉が、まるで爆弾でも直撃したかのように粉々に吹き飛んだ。


もうもうと立ち込める粉塵を切り裂き、漆黒の外套を揺らしながら、アレンが静かに足を踏み入れる。


「ひぃぃぃっ!?」


玉座にふんぞり返っていた国王アルベルトは、無傷のアレンの姿を見た瞬間、腰を抜かして玉座の陰へと無様に這いずり込んだ。


「バ、バカな! 我が国が誇る最強の近衛騎士団が、なぜ……ッ!」


「あんなブリキのオモチャの集まりで、俺の足止めができるとでも思ったか?」


アレンは服の裾を軽く払い、氷のように冷たく、見下すような視線をアルベルトへと向けた。


「さあ、お前の番だ。下民の命をすすって空に逃げた気分の感想を、その舌を引き抜く前に聞かせてみろ」


「ヒッ……! く、来るなァッ! そうだ、私にはまだこの城の『最終兵器』がある! やれ! あの悪魔を塵ひとつ残さず消し飛ばせ!!」


アルベルトが恐怖で顔を引きつらせながら、手元の装置を乱暴に叩き込む。


直後、玉座の間の床の中央が真っ二つに開き、重低音の駆動音と共に、地下から巨大な「何か」がせり上がってきた。


それは、厚い鋼鉄の装甲と無数の魔法砲管で構成された、城の天井に届くほど巨大な機械の塊だった。


しかし、その機体の中心(コア)に埋め込まれていたものを見て、アレンはピクリと眉を動かした。


コアの内部には、無数の極太ケーブルに手足や胴体を貫かれ、顔の半分を無機質な機械パーツに侵食された男――レオンの半身が、グチャグチャに融合していたのだ。


『ア……アレンンンッ……!』


機械のパーツが埋め込まれた喉から、ギリギリと不快な機械音声が響く。


「……レオンか。随分と趣味の悪い姿になったな」


『オレガ……! オレコソガ、セカイヲスクウ、シンノ、ユウシャダァァッ!!』


もはやそこに、かつての狡猾な親友の自我はなかった。


あるのはアレンへの異常な憎悪と、「自分が勇者である」という狂った妄想だけ。


王に利用され、生命力を吸い上げられるだけのただの『生体バッテリー』へと成り下がった、この世で最も醜悪な化け物だった。


「やれぇっ! お前の全力で、あのゴミを焼き払え!!」


王の命令(システム)が下ると同時に、機神レオンの全身に備わった砲管が一斉に光を放つ。


そして、胸部に位置する極大の主砲から、浮遊城そのものを半壊させるほどの超絶的な魔力ビームが放たれた。


――ズババババババァァァァァッ!!!

玉座の間の壁も、豪華な柱も、一切合切を光の奔流が消し飛ばしながらアレンへと迫る。


直撃すれば、山を丸ごと一つ蒸発させるほどの致死の閃光。


しかし。アレンは避ける素振りすら見せなかった。


「……目障りな光だ」


アレンは深いため息をつくと、ひどく退屈そうに、右手だけをスッと前に突き出した。


――ゴウッ!!


アレンの右手から噴き出した**『漆黒の炎』が巨大な壁となり、機神レオンの極大ビームを正面からガッチリと受け止める。


いや、防いでいるのではない。


邪神の黒炎はまるで巨大な顎(あぎと)のように、迫り来る光の奔流をバリバリと音を立てて「喰らい尽くして」**いたのだ。


「な……!? バ、馬鹿なァァッ! 機神の最大出力だぞ! なぜ防げるッ!?」


アルベルトが玉座の陰から目を剥いて絶叫する。


『ギ、ギギィィッ……!? ナ、ゼダ……ナゼ、オレハ、ユウシャ……ナノニ……ッ!』


機神レオンが狂ったように出力を上げるが、光はただ黒炎に飲み込まれ、アレンの足元を一歩たりとも退かせることはできない。


燃え盛る黒炎の向こう側。


無傷のまま立つアレンは、憐れみすら混じった、絶対的な見下しの目をレオンへと向けた。


「お前が執着した『勇者』の成れの果てが、誰かに操られるだけの醜い生体部品か」


アレンが右手をギリッと握り込むと、ビームを喰らって膨張した黒炎が、逆に機神レオンの方へと向かって猛烈な勢いで逆流を始めた。


「姿だけでなく、魂まで化け物に堕ちたな。……お前はもう、ただの鉄クズだ。俺の敵ですらない」


圧倒的な力の差。


そして、冷酷で決定的な存在の否定。


かつて親友を陥れ、高笑いしていた偽りの勇者は、最も惨めで無力な「ただの機械の部品」として、魔王の漆黒の炎に完全に飲み込まれていくのであった。

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