第6話 異世界の勉強
目の前の少女を改めて見る。
「なにかようですか? ・・・えーとメイグさん?」
「・・・同じクラスなのですから名前ぐらいすぐに思い出してください」
「すみません。で、何かごようでしょうか?」
「同じクラスになってからそろそろ1年を過ぎますし、何人か誘って勉強会をしたいと考えておりまして一応クラス全員に声をかけているのですが、ケルスさんももしよろしければ如何ですか?」
『断れ』
間髪いれずに啓から声がかかる。
『なにか理由でも?』
『時間がもったいない。勉強など一人でもできるだろ? それに俺がケルスに憑依してそれほど時間が経ってないしボロを出す要素は少しでも減らしたい』
『それもそうだな。』
「すみません。折角のお誘いですが勉強は苦手なのでお断りさせていただきます」
「あら・・・残念です。それではもし、また他の機会があれば是非」
そういってメイグさんは他のクラスメイトに声をかけ始める。
『少し残念かな』
『断った事を後悔させないさ。そういえば俺が異世界の知識を見られるようにしたのにケルスまだ1度も閲覧してないな? すぐに帰るぞ。異世界のよさについて語ってやろう』
『はいはい・・・だけどつまらないと感じたら聞くのをやめるからな?』
『さて・・・じゃぁ何から語ろうかな』
帰宅してから自分がが異世界の情報を閲覧しなかったのがよっぽど快く思わなかったのか、とにかく異世界のよさについて頑張って語ろうとしているようだ。
『昨日はほぼ簡単な自己紹介だけで終わったからな。それに相互理解は早いほうがいいだろう?』
『あぁ、そうだな・・・ならば、娯楽で啓が面白かったと思ったものは何が在った?』
『娯楽か・・・上げるとすれば、読書、ゲーム、動画鑑賞とかかな。他にも体を動かすスポーツがあったが
俺はスポーツはあまりやらなかったな。疲れるし』
『知識を見る分にはゲームはここでは出来ないようだな。啓の知識から面白さが伝わってくるだけに残念だよ』
『読書、動画鑑賞とかどうだ? 閲覧できるようにしてあるから』
『読書と動画か・・・しばらく奥で見させてもらおうかな』
『おう、じゃぁ俺はケルスの部屋の魔法書でも読ませてもらおうかな』
それから自分は頭の奥で読書、動画鑑賞を、啓は魔法書を読んでいた。お互いにそれぞれ楽しめている為まったく会話が無くなる。しばらくして啓は気付く。
『しまった・・・これじゃケルスとコミュニケーションがとれないじゃないか』
気付いたからといって自分が進めたものを見るのを邪魔するのも悪いと思いしばらく放置すると思いの他楽しめていたのか、寝るまでずっと読書、動画鑑賞をしていた。
『それじゃ、おやすみ』
『おう、おやすみ』
いやな予感をひしひしと感じながら床についた啓。そして思い出す・・・自分が文明の利器インターネットと出合った時の初めての自分の行動を。
『まさかな・・・』
そして朝。
『休もう、病気と言って。3日も休まず見続ければ十分かな?』
『おいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!』
与えてはまずいものを与えてしまったかと思ったが後悔先に立たずと言うとおりケルスはその日から3日病気を装い学校を休み、自分の知識を楽しんでくれたようだ。




