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英雄の法  作者: 西表山cat
序章 始まりは二人
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第5話     勝利の代償

 ぼんやりした意識をはっきりさせる。

『おはよう』

『・・・おはよう。すっかり啓がいることを忘れてたよ』

『一生の付き合いになりそうだし気にするな』

 そう言うとケルスは何かをあきらめたような顔をした。

『俺からは・・・離れられないんだよな。その口ぶりだと』

『あぁ、残念ながらな。もし邪魔だと思うなら事前に言ってくれ。意識の奥に引っ込んでおく事も出来るからな』

 ケルスはそれで話すことが無くなったのか、黙々と登校の準備をする。玄関まで出て見慣れた後ろ姿をみつける。

「おはよう、ファーク」

「ん?ケルスか。おはよう」

 自分の交友関係で数少ない男友達のファークはだった。種族は獣人だがディスチェと比べて成績はそれほど良くない。席が隣だから必然的に仲はそれなりによかった。しかしいくら異種族との交友を深めるためとはいえ、席をばらばらにするのはどうかと思う。



イメージ図 獣人■ 人間□ 自分○


■  ○  ■  □  ■

□  ■  □  ■  □

■  □  ■  □  ■

□  ■  □  ■  □


 このイメージ図を見て分かるかもしれないが綺麗に席をばらばらにしてあり均等に見える。しかしよく見ると分かるが自分の上下左右すべて自分とは違う種族と隣接するようになっている。さすがに入学当初は戸惑っていたが、1年も学園で過ごしていれば慣れない方がおかしいだろう。




「・・・昨日はすごかった」

 学園についてから唐突にファークから話しかけられる。

「ん 昨日? ・・・試合の事か? お前もあの試合みてびっくりでもしたのか?」

 昨日質問攻めにあっていたので、すぐに聞かれた事に思い当たった。

「あぁ、まさかケルスが勝つとは思わなかったよ。しかも序盤の魔法の避け方、挑発かよ? 歩きながら避けるとか」

「あー・・・偶然偶然、自分でもまさか勝つとは思わなかった。でも相手も完全に本気ってわけじゃなかったし。火球以外の魔法を一切使ってこなかったしな」

「まったくだ。あれが私の本気だと思ってもらっては困る」

 いつの間にかディスチェが隣の席についていた。

「わかっているよ。ディスチェに勝つなんて次はないだろうな」

「次の試験では全力で挑ませてもらおう」

「・・・おい、偶然だって。本気出されたら俺ぼろぼろになるぞ」

「どんまい。あんな勝ち方したんだ、油断するほうがおかしいだろ」


 こんな事になるなら啓に助けを求めないほうが良かったかも知れないなと思いながら午前の授業を受ける。




 「―――――――――このように魔法は攻撃、防御、治癒用と大まかに分類でき、人によって向き不向きがありますが基本的にすべてが苦手という人は滅多にいません。そして治癒は基本的に水属性のみで行われるが攻撃、防御はあらゆる属性で行うことが出来ます――――――――」




 適当に聞き流しながら授業を受ける。

『そんなんだから試験でいつも下位なんだろ』

『・・・勉強の邪魔』

『おいおい・・・人がせっかく暇そうだから声をかけてやったのに』

『頼んでない・・・で? なにか用か?』

『あぁ、朝からちょくちょく何やら見られているぞ』

『ん? 見られるだけなら仕方ないだろ。昨日あれだけ試験でやらかしたんだ』

『ずいぶん楽観的だな。だけど普通の注目だけで済めばいいな』

 いやな事を聞いてしまった・・・おそらくこの口調だといつか注目している人に絡まれてしまいそうだ。学園に来てからトラブルとは無縁の生活を送っていたが平和とはお別れをしないとならないようだ。



「ケルスさん、ちょっといいかしら?」

 まさか授業が終わってからすぐに話しかけてくるとは思わなかった。話しかてきた同級生の少女を見ながらケルスは思う。啓って疫病神?


『え? 俺のせい?』

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