第2話 出会い
試験がいよいよ始まってしまった・・・。学年20人全員での総当りなので自分が闘う時間より観戦する時間が長い。粛々と試験が進んでいくが恐ろしいことに今まで下位だった事は頻繁にあったが最下位になる可能性が出てきた。学年首位以外の全員に負けてしまって学年首位に勝てるはずが無い・・・。
「まずい・・・非常にまずい」
『あぁこれはまずいね』
「うん、父さんに絶対に怒られる」
『怒られるならいつも真面目に訓練すればいいじゃん・・・』
うん?だれださっきから語りかけて来るのは。
『いやー初めまして異世界より来ました神宮寺啓と申します』
「うぉ!―――――――――」
『あ、ごめんちょっと喋れない様にさせてもらうよ。まず色々説明させてもらおう、質問は最後な。
まず実は1年前から君の体にお邪魔してた。理由はすぐに話かけても俺もうまく説明できないと思うし君も色々と混乱しそうと思ったからだ。異世界人だけど信じられなければ別に信じなくていいよ。さて初対面だし説明はこれぐらいにしておこう。何か質問は?受け答えは声に出さずに頭の中で思うだけでいい。それで伝わるから、さすがに周り頭がおかしいと誤解されたくないだろ?』
『こうか?』
『きこえてるよ。さぁなんでも聞いてくれ』
『・・・とりあえず何で今話しかけてきた。俺今試合最中で落ち着いて話せないぞ』
『あぁそうそう何か負けそうだったから良ければ手伝おうかって思ってたんだ』
『え? どうやって?』
なんという素晴らしいことだ。この頭に話しかけてきた人物は自分を試合に勝たせてくれるらしい。
『まぁ無駄に1年間、君の体から外を観察していたわけじゃないからね、・・・たぶん勝てるよ』
1行進んだだけでこの人に対して不信感を募らせてしまった・・・
『・・・ん? なにそのたぶんって』
『ほら、初めてちょっと体使わせてもらおうとしてるからうまく出来なきゃ負けるさ』
「次! ケルス、ディスチェ!」
不意に先生から声がかかる。
『おい! ふざけんな! 雑談してたから心の準備が出来なかったじゃねーか!』
『まぁまぁ、大丈夫だよ・・・たぶん。じゃぁ体をちょっと借りるね』
「さっきからどうしたの? ずいぶん挙動不審だけど」
「あぁすまない、心配してくれてありがとうディスチェ。なんでもないよ」
「・・・え?」
「ん?」
「いや、いつもとなんか違うわね」
しまった・・・さっそくやらかしてしまった。心の中でケルスがなにか言っているがとりあえず無視することにする。
「そんな事はない。俺はいつも紳士だよ」
「無駄口を叩くな!」
・・・怒られてしまった。まぁ対戦相手との無駄話はさすがにいけないかと反省する。
「それでは、ケルス、ディスチェ! 準備はいいな?」
「はい」
「はい」
「対戦始め!」




