アッセッド撤退戦1
《ソリッド4。会敵まで何分だ?》
《この距離と速度なら⋯23分12秒です。いや、敵が速度を上げました1.3倍⋯再計算11分26秒》
《コイツの最大速度が分からん。メーターが何を表示してるか体感するしか無い。戦闘では期待するな》
《了解。ソリッド5からソリッド1へ。この先36kmの丘陵地帯での迎撃を提案する》
追い付かれるのは決まっている。
ならば迎撃するしか無い。
更に有効なポイントまでには間に合わない。
《ソリッド1から全機へソリッド5の提案を承認する。高台から鶴翼陣で撃ち下ろす。俺は中央で接近した敵機との近接戦闘を待つ》
《了解》
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《全機へ、九時の機体から順に狙え。弾を集中させる必要は無い。弾幕で動きを止めろ。マトモに撃っては当たらない》
会敵まで1分を切った。
流石に色付きが3体は異常だ。
俺を上回る奴等が徒党を組む。
絶望的としか言いようが無い。
戦力差は推定1対3.3。
《全機へ敵ドッグスを確認。縦方陣形》
《ソリッド1から作戦変更。距離1000で一斉射撃。タイミングを外すな。必ず散開する。両翼はそれぞれを撃て単独では戦うな》
1600⋯1500⋯1100⋯!
しまった!速度を上げてタイミングをずらしてきやがった!
《撃て!》
俺の合図も虚しく先頭のドッグス1のライフルを潰した程度。
いや、まだラッキーか。
メイスを抜き眼前に迫るドッグス1。
《各自、作戦通りだ。単独で戦うなよ!》
さあ、マトモに動かせない機兵で色付きとタイマンか。
息を止める。
一分と少しが俺のタイムリミットだ。
モニターに敵ドッグスを示すカーソルが現れる。
(行くぞ!)
スラスター全開。
爆発的を通り越し激烈なGが俺をシートに叩きつける。
それが良かったのか悪かったのかドッグス1との正面衝突は避けられた。
(旋回、早い。ゾーンとは比べ物にならないコイツは。だが、細かい操作は分からない。なら、機体ごとぶつけてやる迄!)
360°とは言えないモニターに映る敵影はこちらを正面に捉えていない。
なら、とばかりにドッグス1の背後を推力の侭に追走する。
(もう、息がつづかねぇ。留めだ!)
一瞬、機体ごとドッグス1にメイスを突き突き刺さした。
その衝撃でこの機兵の胸部装甲が弾ける。
「ハァハァ!助かったが、なん⋯てオンボロ⋯だコイツは!」
操縦桿前の機体確認モニターらしき物に明らかにカウンターらしき物が減って行くのが見える。
「こいつ⋯!戦闘時間限界もあるのかよ。いや、背部にレッド。そうか、放熱が壊れているのか!」
(状況は、ソリッド6がやられたか5が孤立。2,4は健在、なら5の援護!)
スラスターを吹かすが⋯追い付く頃には息が持たない。
どうする?
息を吸えれば⋯そうか!
加速してジャンプしてる内に息吸えば良い。
交戦中だと的だが移動だけなら!
「ドンッ!」空に舞い、そして着地。
脚部の装甲が割れ落ちる。
「ソリッド5!ドッグス3は俺が相手する。2,4の援護に周れ!」
「了解、ソリッド1。死なないで下さいよ!」
「任せろ。俺のしぶとさ知ってるだろ!」




