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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第三章 最上位の町・サトゥニア
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魔王・サトゥニア8世

「…来たな、ここが、サトゥニア8世様…魔王様のおられる、玉座の間だ。失礼のないようにな」


 アモディエナ達と合流すると、目の前に一際大きな、そして立派な扉があった。他の扉よりも、飾り付けが派手で、暗い中でも目立っている。


 ハイーラは扉を見て、圧倒されてるようで、何も言えないようだ。ペルセも正直、何も言えなくなってしまった。


 近付いてみると、圧迫感すら覚えてしまう。


「行くぞ」


 アモディエナはそれだけ言うと、玉座の間の扉を、ゆっくり開ける。扉は、重々しい音をたてて、ゆっくり開いていく。


 扉の隙間から、強い光が漏れてくる。

 通路の暗さと差が大きく、その眩しさに思わず目を細めてしまう。


 しかしそれでも、マールに引かれるままに、扉の向こう側へと踏み入れた。


 次第に、ペルセの目が、部屋の明るさに慣れていく。ゆっくり、まぶたを開いていった。

 中は、先程アモディエナと会った部屋よりも派手で、様々な色の石が飾られている。前に本で見た、「ほうせき」というものだろうか。


「スゴい…これが、玉座の間…」

「さすが、ゴージャスだね〜」


 ハイーラとマールも、辺りを見回している。この2人でも、この空間の光景には圧倒されてるようだ。


 ペルセも辺りを見回すと、空間で一際目立っているものを見つけた。


 ーーー大きな円卓と、それを囲むように並べられた椅子。


 そして、その奥に、一際大きな椅子があった。

 その椅子だけが、ペルセ達に背を向けていた。


「魔王様。ペルセを連れてきました」


 アモディエナが一歩前に出て、その大きな椅子の前に、静かに跪いた。昔読んでもらった、おとぎ話の中に出てくる登場人物のように。


 ペルセがその光景に唖然としていると、椅子がゆっくりと、静かに回り始める。


 思わず、息を飲んだ。あのアモディエナがあのような態度を取る相手と、これから対面する。


 ーーー何だか、緊張してきた。背筋が伸び、息が浅くなる。


 椅子が完全に、ペルセ達の方を向く。同時に、そこに座ってた悪魔が、姿を現した。


「待たせて済まなかったな。私が、サトゥニア8世…。この魔界を統治する、魔王だ」


 その悪魔は、ペルセ達をしっかりと見つめながら、ゆっくりと、しかし厳しく低い声で言い放った。


 座っていた悪魔は、アモディエナと同様、もしくはそれ以上に高そうなすーつを身に着けている。しかし、その体付きは、今まで見てきたどんな男よりも強そうに見えた。


 ーーーきっちり短く整えられた黒い髪と髭が、顔を見た時に目についた。オーレンとは、まるで違う。


 そして何よりーーー


「ひぅっ…!!」


 本能的に、ペルセも感じ取った。

 これが、頂点。歯向かうことすら許されない、圧倒的な魔力。その威圧感を、肌で感じた。


 サトゥニアは、ペルセを真っ直ぐに見つめている。

 その視線に敵意はないが、圧もあって落ち着けない。


「お前が、ペルセか。…その顔…なるほどな」


 サトゥニアは、ペルセの顔をまじまじと見た後、静かに呟いた。

 一体、何がなるほどなのか。気になったが、とてもそんなことを聞ける空気ではなかった。


「皆の者、そんなところに立ってるのも疲れるだろう。自由に座ってくれ。アモディエナ、貴様はいつもの席で良かろう?」

「問題ございません」


 サトゥニアは両手を広げ、円卓を囲む椅子に座るよう、促してきた。しかし、ペルセ達の体は動かなかった。足が、言うことを聞かない。


 唯一、ずっと跪いていたアモディエナだけが、その場で動いている。

 アモディエナはゆっくり立ち上がり、一度ペルセ達の元へと戻ってきた。


「…座る席はどこでも良い。私が近くに座っていたほうがいいのであれば、私の近くに座るといい」


 アモディエナはそれだけ言うと、慣れたように円卓の椅子に座る。その位置は、サトゥニアの左前方ーーーほとんど、向かい合う位置だった。


「うだうだしててもしょうがないし、座ろうか〜」

「…そうね」


 マールの一言に、ハイーラも覚悟を決めたようで、椅子に向かって歩き出す。

 ペルセも慌てて、その後を追い、椅子に座った。


 ーーーペルセとサトゥニアが、ついに向かい合った。

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