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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第三章 最上位の町・サトゥニア
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マールの本音

 アモディエナの案内で、3人はサトゥニアとかいう悪魔のいる場所へと向かう。

 その間も、ペルセの頭からは、あのデメナという女性の名前と声が、頭から離れなかった。


 ーーー名前も、声も、やっぱりどこかで聞いたことがある。だが、どこだったか。


 考えても、答えには辿り着かない。


「ペルセ〜?気分でも悪いの〜?」


 マールが顔を覗き込んできた。その声で、ペルセはハッとした。

 いつの間にか、自分の歩みが止まっている。

 アモディエナとハイーラが、大分遠くへ行ってしまっていた。


「あ、ごめんなさい…。な、なんでもないから…」

「そう?それならいいけど〜…ほら、ちゃんとついてきて〜」


 マールはそう言うと、ペルセの手をそっと握ってきた。やっぱり、マールの手は暖かい。


 マールはその様子を見て、優しく微笑んだ。そして、ペルセの歩くペースに合わせ、ゆっくりと歩き出した。


 ーーー思えば、マールはいつもそうだ。

 初めて会った時も、自分がダスノムの生まれ育ちだと知っても、全く態度を変えなかった。

 そして、このサトゥニアという町に来ても、ペルセに向ける態度を変えてない。


「ん〜?」


 気付くと、今度はマールの顔を見つめていたようで、逆にマールがこちらに視線を向けてきた。

 気まずくなり、思わず視線をそらした。


 すると、頭上からマールの独り言が聞こえてきた。


「…すごいところに来ちゃったよね〜、私達」

「え…?」


 一体、何を言ってるのだろう。

 確かに、ペルセにしてみたら、ダスノムから大分離れたところに来てしまったのは間違いない。


「私もそうだし、君もそうだけど…。堕ちた存在が、魔界最上位の町に来れるなんてね〜」

「へ…?ま、マールさんが?」


 マールに視線を向けると、ゆっくりと歩きながらも、天井を見上げている。薄暗い廊下では、その表情をはっきりと見ることはできなかった。


 マールの言った言葉の意味は分からない。

 しかし、その声色は、何だか楽しそうだった。


「…ありがとね、ペルセ。」

「え?」

「私がベリアスに住み始めてから、ハイーラ以外の相手とここまで仲良くできたのは、久しぶりなんだよね〜」


 …なぜ自分がお礼を言われているのだろうか。マールにお礼を言いたいのは、自分の方なのに。

 しかし、ペルセの口は、言葉を紡いでくれなかった。


「ちょっとマール!早く来なさい!!」


 遠くから聞こえるハイーラの叫び声で、2人の空気が一気に変えられる。


 せっかくいい雰囲気で、もう少し話せたのにーーー。少し、不満げに思ってしまう。


「…も〜…ハイーラったら〜…雰囲気ぶち壊しじゃ〜ん…」


 どうやら、マールも同じことを思ったようだ。

 しかし、いつまでもハイーラ達を待たせるわけにもいかない。

 マールもそう思ったらしく、ペルセの手を軽く引っ張ってきた。


「…しょうがないね〜。行こっか、ペルセ」

「………うん」


 マールは穏やかな表情をペルセに向けてきた。ペルセは、それに応えるように、静かに頷いた。


 そして、先に待つハイーラの元へと歩き出したーーー。

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