↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 外伝 第一章 研究者・エルフィー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
397/405

エルフィーvsエルフェン〜姉妹対決〜

「…以上で、私の発表を終わります。ご清聴ありがとうございました」 


 順番が次々に巡り、エルフィーの発表がようやく完了した。


 やはり、壇上に立って発表するのは緊張する。だが同時に、皆の前で自分の成果を認めさせるよい機会でもあるので、自然も熱も入る。


「それでは、エルフィー先生に質問のある方…あ、そちらの方、早いですね」


 司会者が言い切る前に、小さい手が挙がっていた。運営者が慌てて、その手の主にマイクを渡す。


 ーーー早すぎる。まるで、姉に質問する権利は自分のものだと言わんばかりの、自己主張だ。普段控えめなのに、その欲は強烈だった。


「…お姉ちゃん、発表お疲れ様でした。一点、聞きたいことがあるんですが…」


 エルフェンのその一言で、周りの研究者がどよめいた。

 特に妹の存在を隠していたわけではないが、確かにこの界隈の研究者達に、妹を紹介したことはなかった。興味のある研究者には、軽く紹介くらいはしておこう。


「この種族魔力の傾向のデータ、そして反応機構について、根拠となるデータがありますか?これほどまでに断言するのならば、相応のソースが必要になりますが。公的データには、そのような記録はなかったかと思いますが」

「…お前、分かってて聞いとらんかね?まぁよかけど…」


 そんなことを考えてる間に、エルフェンの言葉はどんどん紡がれていく。だが、そのテンションは、他の研究者に質問する時とはかなり違い、完全に家の中で研究談義をしている時のものだった。


 エルフィーは資料の中を探し、該当のデータを見つけた。そしてそれをプロジェクターに映した。


 そこには、膨大な量の魔力傾向や形質、反応性に関するデータが表示されている。エストラで働き始める前、流浪の薬師をやっていた頃からオーダーメイド薬品を作る際に収集していた、顧客の魔力データだ。


「非公式のもので申し訳なかとやけど、ウチが数百年間収集し続けた、魔力の個人データを元手に導き出しとる。もちろん非公式のものやけど、数百年間で各種族千例は下らん実例をとっとるけん、十分と判断したからこのデータを論拠として使わせてもろた」


 エルフィーがそう言うと、ますます研究者がどよめいた。だが、エルフィーはさらに補足を入れることにした。


「もちろん、このデータを個別に適用したわけやなくて、種族ごとに振り分けた上で、平均化したものを用いとる。…エルフェン、これでよかかね?」

「…十分です。ありがとう、お姉ちゃん」


 そう言うと、エルフェンはマイクを返却し、席に座った。その瞬間、エルフィーは聴衆に悟られない程度に、小さくため息をついた。


「…全く…アンタの質問は、ヒヤヒヤするばい」


 だが、その頬が緩んでいることに、エルフィーは気付かなかった。


 やはり、先程のエルフィーとエルフェンのやり取りの衝撃が強すぎたらしい。聴衆はずっとザワザワしていた。


「えー…他に質問のある方は、いらっしゃいますか?」


 そう言われ、何人かが挙手をし、質問をしてきた。だが、エルフィーにとってみれば、普段家でやられるエルフェンからの質問攻めよりも、遥かに気楽であった。


 難なく質問を捌き、エルフィーは発表を終えたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。