↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 外伝 第一章 研究者・エルフィー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
394/405

エルフィーの妹・エルフェン

 数日後。エルフィーはエスカン国内にある、大規模なコンベンション施設へと来ていた。

 数百名規模の聴衆を入れられるという、国内でも屈指の規模の施設。今日はここで、魔力学会の発表会が行われる予定だ。


 さすがのエルフィーも、いつもの魔女っ娘衣装ではなく、控えめな色合いの、フォーマルなレディーススーツに身を包んでいる。


 その隣には、同じくスーツを着用した、エルフィーよりもさらに小柄な、小学生にしか見えない少女がいる。

 金髪のエルフィーとは対照的に、蒼色のツインテールをした、童顔のエルフ。エルフィーと並んでも、その小ささは際立っていた。


「大丈夫かね、エルフェン?人混み苦手やろ?」

「…お姉ちゃんは、私を何歳だと思ってるの…?」


 妹のエルフェン。エルフィーの最愛の妹だ。今回の学会に、聴衆として行きたいと言われたので、連れてきたのだ。


 ーーーだが、エルフィーにとっては、妹であると同時に、最も警戒しなければならない者でもあった。


「お待たせしました」


 すると、後ろから声をかけられる。振り返ると、いつもの赤い修道士のような服ではなく、こちらもスーツを着たラウラの姿があった。


「いやいや全然大丈夫よ。まだ時間まで余裕はあるけんね」

「……ん」


 明るく言うエルフィーと対照的に、エルフェンは小さく頷いただけだった。

 昔から、妹はこうだ。活発な自分と真逆の、物静かで冷静なタイプ。少し人見知りもあるようで、見知らぬ相手だと特に寡黙になる。


「エルフェンさんも、お久しぶりです」

「…お久しぶり、です」


 全く見知らぬ相手ではないラウラ相手でも例外ではないらしく、ラウラ以上に静かな対応をしている。


 だが、特にラウラは気にしていないらしく、エルフィーへ視線を戻してきた。


「では、行きましょうか」

「おう」


 三人は並んで、コンベンション施設の入り口へと歩き始める。


 ラウラはともかく、エルフィーとエルフェンは非常に小柄なためか、奇特な視線を集めてる気がする。特に今回、魔力関係の学会ゆえ、エルフェンへの視線がかなり集まっている。


「…落ち着かない」

「まぁ…今回はしょんなかよ」


 あまり目立つことが好きではないエルフェンにとって、この状況はあまり好ましくないらしい。だが、エストラの講師兼研究者として、名や顔を知られてるラウラやエルフィーはともかく、エルフェンは界隈であまり知られてるわけではない。

 ましてや、エルフィーと比べても小柄なのが、拍車をかけている。大人ばかりの中に子供が紛れてるようにしか見えないので、図らずも目立ってしまうのは、無理もない。


「エルフェンさんは、オーディエンス側でいいのですね?」

「…うん、大丈夫」

「分かりました」


 受付に向かう前に、ラウラが確認してきた。その手には、ラウラとエルフィー用の招待券と、事前に発行したエルフェン用の入場券が握られている。

 エルフェンが頷くと、ラウラは受付へと並んだ。


「…お姉ちゃん。今日は、どんなのが聞けるかな…。ワクワクする」

「ワクワクすんのはよかけど…程々にしたれよ、エルフェン」

「…善処する」

「アテにならん…」


 エルフェンは控え目ながらも、学会を楽しみにしているようだ。

 しかし、エルフェンに本気で楽しまれてしまうと、学会が終わらなくなる。時間制限もあるので、そこだけが心配の種であった。


 エルフィーはそんな妹の様子を見て、ため息をつくことしかできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。