↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 最終章 最底辺の悪魔は人間界に戻る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
385/398

静かな帰還

「あらあら…これは予想以上ですわ」

「姉様また何かイタズラしたでしょ!?」

「失礼ですわね。何もしてませんわよ…『私は』」

「その言い方、絶対間接的に何かしたやつ!!」


 そんな阿鼻叫喚な状況となった教室に、イアノが入ってきた。その後ろには、教室の様子を見に来たのか、ラウラの肉体を借りた状態のヴァーレアがいる。


 楽しそうに笑うイアノとは対照的に、ヴァーレアはワタワタしている。冷静沈着な性格のラウラの体でやっているため、ギャップが非常に激しい。


「…私も特に、何もしていないのですが」

「バルディ。先程も申し上げました通り、異性からどのような視線を向けられるのかを、少しは自覚した方がよろしいか、と」


 イアノはバルディに向け、小さく笑いながらそう言った。

 ーーーイアノの言っていることは、ペルセにはよく分からない。異性から向けられる視線など、ペルセは欠片も考えたことがなかった。


 だが、それが関係しているのか。ミノト達がバルディに向けてた視線に、要因があるのだろうか。


「…姉様。何したの?」

「何もしてませんわよ?バルディに、ペルセちゃんと軽くお話してきては?と送り出しただけですの」


 イアノはヴァーレアの問いに、あっけらかんと答える。

 ペルセとしても、イアノが何か企んでるという疑いは正直払拭できていなかった。廊下からこちらを楽しそうに見ていたときの笑みは、間違いなく何かイタズラを仕掛けてる時のものだった。


「…あまりイアノを責め立てないでやってください。イアノの言う通り、私がペルセ様とのお話を希望し、そのついでに挨拶をした、と言うだけに過ぎませんよ」


 バルディはダリスと共に、倒れた女子達を介抱している。その言葉は、完全に自責の方向を向いていた。


 バルディ本人がそう言ってるのなら、そうだろう。どこまでも嘘をつかない男であるので、ペルセはそれで納得した。


 ヴァーレアだけは少し納得していなさそうであったが、イアノがあまりに堂々としてるものだからか、何も言えなくなってしまったようだ。


「お手数おかけしてすみませんね」

「いえ…。そもそもうちの女子達のせいですし」


 バルディから礼を言われたダリスは、呆れ半分、緊張半分で答えてるようだ。思えば、バルディと初めて会った時のペルセも、かなり緊張していたような記憶がある。


「…面食いな奴らが多いとは思ってましたが…」

「面食い?…私の顔など、よくある顔ですが」


 ダリスの独り言に、バルディは不思議そうにしている。ペルセはバルディの顔を改めて観察してみた。


 確かに、整った顔立ちだとは思う。自分の父親であるクロニオスと比べても、いかつい感じは全くない。だが、あんなに大騒ぎするほどか、と問われたら、やっぱり否だ。


「…まあ…ウチの子達が好きそうな顔ではあるよ。ませてるからね、このクラスの女子は」

「そういうものですか?」

「少しは自覚してください…」


 ヴァーレアでさえ、少し呆れている。だが、当のバルディは最後まで不思議そうに首をひねるだけだった。


「…さて、そろそろお暇させていただきましょうか。お騒がせしました。ペルセ様、明日以降授業で会ったらよろしくお願いしますね」

「うん!お母さん達との鍛錬の成果、見せますから!!」

「ふふ、楽しみにしておきますよ」


 バルディはそう言うと、ゆっくりと立ち上がった。その言葉に、ペルセはガッツポーズをとった。


 思えば、イアノは鍛錬に関わっているので自分の実力を知ってるが、バルディはノータッチだ。アモディエナを通じて知ってるかもしれないが、直接見せたことはない。自然と、気合が入った。


「では、失礼します」


 バルディは軽く一礼すると、そのまま教室から出ていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。