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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第十一章 ドゥローラへの裁き

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変わらぬ日常のやり取り

「…ホントに、挨拶だけだったわね。挨拶と呼んでいいのか怪しかったけど」


 呆然としているペルセの隣に、いつの間にかハイーラが立っていた。その声で、ペルセの意識が現世に戻ってきた。


「まぁ…ラウラ先生は、いつもあんな感じだから」

「いつもああなの…?」


 ペルセから見ると 、人間界にいた時と何ら変わらないラウラだった。感情の起伏が薄く、合理的な判断を重視する、いつもの気怠そう態度だった。


 とはいえ、確かに挨拶というには微妙なものだった。それに、付き添っていたイアノの態度も、歯切れが悪かったような気もする。


「…私、人間界にもう一回行けるかな…」

「ペルセちゃん…」


 イアノは断言しなかった。だが少なくとも、人間界との交流については否定していなかった。むしろ、再開する予定だ、とも言っていた。その言葉が、ペルセの頭の中で反芻された。


「行けるんじゃな〜い?」


 すると、ソファーでぐうたらしていたマールが、こちらを見向きもせずに口を挟んできた。ちゃんと聞き耳を立ててたあたりは、マールも気になってはいたのだろう。面倒くさがって、動かなかったのかもしれないが。


「ちょっとマール、そんな無責任な…!!」

「まぁ、断言はできないけど〜…あの口ぶりからすると、交流の窓口は、閉じてはいなくな〜い?」

「そうかもしれないけど…!!」


 のんびりとした口調ながらも、本質を突いてくるマール。ハイーラもマールの言葉を否定し切ることはできないらしく、焦りながらもどう返せばいいか困っているようだった。


「まぁ〜…私も分かんないけどね〜。でも、ペルセのご両親に聞いてみたら、分かるんじゃないかな〜?」

「お父さんと、お母さんに…?」

「それが確実だと思うよ〜」


 マールはそれだけ言うと、大きな欠伸をした。先程から一ミリたりとも動いていないと言うのに、眠いのだろうか。


 ハイーラも頭を掻きながら、ため息をついた。相変わらず、普段はマールを説き伏せられるハイーラも、こういった場面でのマールには敵わないらしい。


「全く…マールはホント、こういう時にだけ核心を突いてくるのよね…」

「アハハ…」


 普段は面倒臭がりで、ズボラなマール。だが、その裏側で、自分が家族から拒否された過去を抱えながらも、相手が抱え、求めるものを絶対間違えない。ペルセも何回か、マールには泣かされたりしたものだ。


 ハイーラはマールとの付き合いがペルセよりも圧倒的に長いゆえに、より強く実感しているようだ。


「聞こえてるからね〜、ハイーラ〜?」

「別に隠してないから、好きに聞いてればいいわ、その地獄耳」

「も〜」


 陰口を言われてるように感じたのか、マールは少し不満げだった。だが、そんなマールにも慣れたもののようで、いつものことと言わんばかりに皮肉も込めて打ち返した。


 ーーーやっぱり、この二人は仲が良い。ペルセには、このような腐れ縁とも言えるような、気軽に軽口を叩き合える同年代の友達はまだいない。


 ミノトとそんな関係になれればいいな、と思いながら、ハイーラ達のやり取りを眺め続けていた。


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