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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第十一章 ドゥローラへの裁き

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ラウラの反撃書類作成

 エルフィーとの通話を切ったラウラは、一心不乱にパソコンへ向かい、書類を急ピッチで作る。


 今の魔界との揉め事も、解決する糸口は見えていないし、恐らく解決しないまま国が滅ぶだろう。それゆえ、ラウラ自身が動くつもりはなかった。


 だが、視点が欠けていた。レボルタやソロモニアには同情しない。だが、このまま自然な瓦解を待っていては、ドゥローラに残された国民達はどうなる。もし諸外国が彼らを何とかするなら、早く事件を解決した方がよい。

 ーーー決して、エルフィーの辛そうな声色に心を動かされたわけではない。


「…ランちゃん、何するつもり?」


 精神世界から、ヴァーレアがラウラの頭の中に語りかけてくる。いきなりラウラが動き出したので、意図が分からず不安なのかもしれない。


「あなたを強制召喚したことに関して、ソロモニアは何ら責任を取っていませんよね?」

「え?」

「…魔界との揉め事は、あくまでもペルセさんを狙ったことが中心です。ヨルゼフ国王陛下が間を取り持ったことも、被害者がエストラの留学生であったことと、事件現場がエスカンであったのが要因です。ですが、私については?」


 ラウラはそう言いながらも、指の動きを止めない。画面に映る白紙が、どんどん文字で埋まっていく。


 研究でしか見せないようなラウラの必死さに、ヴァーレアも絶句しているようだ。


「…国王陛下にしてみれば、私はエスカンの住民ではありますが、それだけです。もちろん、私がドゥローラから亡命してきた人間であり、悪魔を宿してることは承知の上でしょうけど、細かい経緯までは知らないはずです」

「え…?だって、ボクらあの時、説明したよね…?」

「当時の国王陛下から、何世代入れ替わってると思ってます?…概要くらいは知ってるかもしれませんが、詳細までは知らないでしょう」


 ラウラはそう言いながら、さらに書類作成を続けている。

 ヴァーレアは精神世界で戸惑ってるようだが、そんなのに構っていられない。


「…別に当時の罪に関して、今さら糾弾するつもりは毛頭ありません。ですが、あなたを無理矢理呼び出した件は、今魔界と揉めてる件とは性質が違います。魔界という場所との交流断絶になった、明確な要因ですからね」


 ラウラはそう言いながら、一瞬だけ動きを止める。


 ここまで勢いのままに書いてきたが、自分の証言だけで、果たして信用を得られるのか。

 ーーー明確なリソースをつけたほうがよいのではないか。研究者としても、そこを無視することはできなかった。


「ヴァーレア」

「なに?」

「ゴエティフス家の公的記録、アクセスできたりしますか?」

「…できると思う。最悪姉様に頼むけど…。何か必要?」

「あなたがいなくなったことが当時事件になったのなら、家としての記録が残ってないかと思いましてね」


 ーーーこれは長期戦になりそうだ。ラウラは腹を括り、椅子から立ち上がるのだった。

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