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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第十一章 ドゥローラへの裁き

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クロニオスvsレボルタ

 魔界の王宮の、玉座の間。

 玉座に座るサトゥニアと、その隣に座る不機嫌そうな様子のクロニオス、そして淡々と準備を行うアモディエナ、という三人の最高幹部の姿があった。


「…済まないな、クロニオス。せっかくの娘との時間を取り上げてしまう形になってしまって」

「全くだ。ペルセがどれだけ凹んでたか…」

「埋め合わせは必ずする」

「当たり前だ、この野郎が」


 サトゥニアが必死に謝る横で、クロニオスは終始半分キレながら応対していた。だが、ペルセとの時間をいきなり中止にしてまで呼び出されたのだから、怒るのも無理はない。


 ーーー今度、クロニオス一家に何か詫びの品を差し入れしよう。サトゥニアは内心、そう決心していた。


「通話、つながりました。画面を出力します」


 アモディエナがそう言うと、サトゥニア達の正面に通話相手の画面が写る。以前の会合で見た傲慢な態度は変わっていないが、その体はすっかりやつれてしまっていた。


 ーーーこちらの介入があってから二週間足らずしか経っていないと言うのに、ここまで追い詰められるものなのか。もはや、同情の念すら湧いてくる。


「さて、繋がりましたかな。では、これから話し合いを」

「うるせぇ悪魔風情が!!内政干渉した上に、装置までぶっ壊しやがって!!弁償しろ!!」


 サトゥニアが開会を宣言するより前に、音割れするほどの声量でレボルタが叫んできた。王宮に、レボルタの声が響き渡る。


 すると、クロニオスが大きなため息をついた。


「…あのなぁ、そもそも俺らが来ることは事前に予告してただろうが。知らねぇとは言わせねぇ、エスカン国王も間に挟んで手紙送ってるんだからな」

「ぐ…く…!!」

「装置の破壊もそうだ。テメェらがやってたのは、言っちまえば尊厳破壊と力の搾取。通告したにも関わらず、無視したのはそっちだろうが」


 クロニオスの言うことに、一切の嘘はない。


 魔界としては、事前にヨルゼフを介し、レボルタに通告を行っていたつもりだった。期日までに止めない、返事をよこさないならば、遣いを寄越し、実力をもってソロモニアの中核を成す悪魔達を取り返すし、無力化まで行うという旨まで含めて伝えていた。


「…いや、無視したどころではない。あろうことか、ウチから送った使者を罠にハメ、隷属契約を結ばせようとした、と聞いている。それが事実なら、あんたは知ったうえで通告を無視したことになるな」


 だからこそ、レボルタのやったことは許されない。手紙を開封してなくて読んでない、というのも問題だが、読んだ上で無視をし、挙げ句逆に捕らえようとしたのだから。


 サトゥニアの言葉に、レボルタは苦し紛れに反論を開始した。


「だからといって、我々の財産を破壊したことは変わらない!!装置は、我々の国の資源だ!それを破壊しておいて、知らぬ存ぜぬは通用せん!!弁償しろ!!」

「分からねぇ奴だな…」


 あまりにも一点集中の論理を展開してくるレボルタ相手に、クロニオスのイライラが高まってきている。


 話の通じる男ではないゆえ、時間を長めにとってもらったが、これでは先に、クロニオスの怒りが爆発してしまう。サトゥニアはいざとなったら自分が割り込むつもりで、クロニオスの様子を見ていた。


「こっちは悪魔の魔力搾取を止めろ、と手紙で通告していたんだ。だが、テメェらは止めるどころか、むしろ既存の国家研究者を追い出してまで、悪魔の魔力をより使うことを選んだ。こちらが力に訴えざるを得なくしたのは、お前らの方に原因があるんだぞ」


 クロニオスは半分キレ気味ながらも、レボルタへと反論した。レボルタはそれを言われ、再び黙りこくるのだった。

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