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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第十章 ソロモニア制圧戦

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魔界への一時帰還

「お忘れ物は、ございませんの?」

「…うん」


 次の日の昼間。ペルセが魔界に帰る日が来てしまった。


 もう、この明るい空を見ることも、できなくなるのか。そう思うと、寂しさがこみ上げてくる。


 イアノから荷物の確認もされる。中身を確認しても、特に忘れ物はない。ペルセはカバンを持って、立ち上がった。


 扉を開けると、そこにはイアノが待っている。その隣には、ラウラの肉体を借りて、意識を表に出しているヴァーレアの姿がある。


 ーーー今日は、エストラも休みではないはずだ。なのになぜ、ヴァーレアがここにいるのか。


 ペルセが不思議に思っていると、ヴァーレアが口を開いた。


「姉様、本当にボクまで連れて帰るの?」

「当然ですわ。あなたはまだ、ラウラさんと共に狙われてる身。こちらとしても保護対象ですわ」


 二人の話してることの意味がわからない。

 ヴァーレアまで、人間界から連れ出すというのか。狙われてるから、というのは分かるが、それではエストラの業務に支障が出てしまうのは明らかだ。


「無理を言ったのは承知ですわ。ですが、ソロモニアが直接あなたに危害を加えてきた以上、人間界に留まるのは危険でしょう?」

「そりゃまぁ…でも、伝えたら生徒達大パニックだったんだよ…?ペルセ様の留学中断に加えて、ボクらまで一時的にエストラを離脱なんて…」

「えぇ…ですが、仕方がありません」


 イアノはそう言うと、ゆっくりと立ち上がった。


「さ、帰りますわよ。すでに、家の入口に、魔界への転送陣を敷いてありますわ。早めに使わないと、効果が切れますわよ」

「…こんな形で里帰りはしたくなかったなぁ…」


 イアノはそう言うと、玄関に向けて、スタスタと歩いていく。その後ろをヴァーレアが、さらに後ろにペルセがついていく。


 目に焼き付けておかなければ。下手をすると、もう二度と来れない場所になってしまう。ペルセは何度も振り返りながら、玄関へと歩みを進めた。


 玄関の扉を開けると、すぐ近くに赤い転送陣が敷かれている。一方通行の、使い捨て式の転送陣だ。


「私の体に触れててくださいね。魔界に転送しますので」

「…うん」


 ペルセは頷くと、イアノの服の袖を握る。


 すると、転送陣が赤く光り出した。イアノが魔力を流し込んだのだろう。もう間もなく、転送されてしまう。


 その後ろで、ガチャリという音が聞こえた。その直後、ヴァーレアがバタバタと走ってくる足音も聞こえてきた。


「ちょ、姉様早い!鍵閉めるまで待っててよぅ!!」

「時間的な猶予は取っておりましたわよ?」

「そこじゃないんだよぉ…」


 ヴァーレアが慌てて、転送陣の中へ入ってきた。そして、イアノの肩に触れる。


 これで、三人まとめて転送ができる状態となった。それを感知したかのように、赤い光が強くなる。


「玉座の間に転送予定ですわ。目を閉じててくださいまし」


 イアノにそう言われ、ペルセは目を閉じた。

 その直後、まぶた越しにも分かるほどの強い光に覆われた。

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