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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第九章 エスカンとドゥローラの会合

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レボルタとの対面

 翌日午後三時。


 昨日同様、ペルセ達はエスカンの王宮の応接間へと呼び出されていた。

 円卓を囲う面々も、昨日と同じだ。


 しかし、違う点が一つだけある。


「…本当にこんなもので、ヤツがおびき出せたのか?」

「えぇ。レボルタ国王は、人間以外の種族の『人権』は認めていませんが、『力』や『知能』は認めておりますので」


 サトゥニアの手元には、小さな箱が置いてある。何の変哲もない、綺麗ではあったが地味な木の箱だった。

 だが、その箱の中からは、子供のペルセにも分かるほどに、濃縮された魔力の気配が感じ取れた。


 一体、そんなものを用意して、何をするつもりなんだろうか。もしかして、昨日サトゥニアが言っていた『餌』なのだろうか。


 ペルセは不思議に思いながらその箱を見つめていると、後ろから扉の開く、ドアの軋む音が聞こえてきた。


 振り向くと、そこには老齢の、白髪で茶色いスーツ姿の男性がいた。見てくれこそ穏やかそうな老人だが、その魂魄を見ると、悪意にまみれているのがペルセにも分かった。


 ーーーハッキリ言えば、不愉快極まりない。その感情が表に出てしまっていたのか、ペルセの表情は、かなり歪んでいた。


「…ペルセ、大丈夫か?」

「私、あの人嫌い…」


 そんなペルセを見たサトゥニアが声をかけてくる。ペルセは周りに聞こえないように、サトゥニアへ本音を漏らした。


「気分が悪いなら、別室待機でも構わないが」

「…ううん、大丈夫」

「…分かった。だが限界を迎えたらすぐ言えよ」


 だが、不愉快で気分が悪くなるとはいえ、耐えられないほどのものではない。ペルセはその場に座り続けていることにした。


 ふと、ペルセはイアノの方を見る。

 イアノはその男を見つめても表情を変えていない。だが、その内部にある魂魄は、不快感を示している。自分と同じデメナ由来の能力を持つゆえに、イアノにも見えているようだ。


 だが、男はそんな視線をまるで気にする様子を見せずに、まるで自分の家に入ってきたかのように躊躇なく歩いていき、ヨルゼフとサトゥニアの二人からとも離れた席へと座った。


「さて、話を始めようか」


 男は頬杖をつき、面倒くさそうに口を開いた。


 何て太々しい態度だ。子供であるペルセですらも、あんな態度を取ることはない。もしあんな態度を取ろうものなら、ハイーラやデメナから叱られるだろう。


 だが、ヨルゼフはため息をついただけで、特にその態度を指摘することはなく、資料を配ろうとした。


 だが、男はそれを止めた。ヨルゼフは動きを止め、不思議そうに男を見つめた。


「私が来たのはただ一つ。魔力結晶とやらをこちらへ寄越せ。そしたらお前らと話をしてやる」

「…レボルタ陛下。それはあまりに要求が…」

「サル風情が、たてつくつもりか?何もメリットがないのに、お前らと話をする気はない」


 レボルタと呼ばれた男が、まるで子どものようなワガママを言っているようにしか見えない。

 その振る舞いを、ペルセの同級生であるミノトがやっているならまだ可愛らしいし、何とも思わなかったのだが、大人であるレボルタがやっているのは不愉快だった。


 ラウラも同じだったようで、自身の感情爆発を抑制するためか、眉間を指でおさえていた。


「…あんたが、ドゥローラ国王か。随分とお子様な国王のようだ」

「私の知る悪魔の子供の方が、よっぽど大人ですわね」


 だが、レボルタの態度が、サトゥニアやイアノの前で通用するはずがない。


 二人の言葉に、レボルタは顔を引きつらせていた。

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