↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第八章 ソロモニアとの激突

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
291/402

未知の領域

「…ランちゃん…本当に、やるの?」

「ここから先は、研究でも踏み込んだことのない領域…ですが、抵抗せねば死ぬという状況で、リスクがどうとかなどと考えてる場合でもないでしょう」

「…分かった。でも、危険だと判断したら、ボクも止めるからね」


 精神世界から、ヴァーレアが語りかけてくる。


 自分とて、不安ではある。完全な未知に踏み込むのだから、当然のこと。


 だがそれでも、躊躇いはなかった。これほど信頼できる相棒がいるならば、共に行ける。


 ヴァーレアとラウラは、混合魔力の出力をさらに上げ始めた。すると、外観から目に見える影響が出始めた。


「な、なんだ!?」


 二人の混合された魔力が、異常な挙動を示し始める。混ざるを通り越して共鳴し始め、さらには翠色の魔力の分厚い膜が、ラウラの体に纏わりつく。


 まるで、魔力の衣だ。ラウラの体は、完全に翠色の魔力で覆われてしまう。


 ソロモニア側は驚いている。だが、この魔力の挙動には、ラウラ達も驚いていた。


 こんな現象は、初めてだ。


「おのれ!!くたばれ、ラウラぁ!!」


 焦ったソロモニア側は、魔力弾を乱射してきた。だが、その場で炸裂しているにも関わらず、魔力の衣に阻まれ、ラウラに届くことはなかった。


「この出力ならば…」


 爆煙の中、ラウラは拘束されている腕と足に、その魔力を集中させ、力をかける。


 拘束術式からは、当然強い抵抗を受ける。だが、その抵抗を上回ったのか、少しずつ鎖が、拘束が体から離れ始めていた。


「バカな…拘束が、外れかかっています!!」

「何ぃぃ!?」


 影に隠れていたであろう、拘束術式を維持している魔術師達から、声が聞こえてくる。


 あの時は構造を分析し、弱点を突いて拘束を破った。だが、今は違う。拘束を力ずくで外しているのだ。拘束術式を組んだ側としては、最も嫌な破られ方であろう。


「抑え込め!!あんな裏切者に負けるんじゃない!!」

「し、しかし…内側から押される力が、想定以上です!!」


 ラウラが魔力を流して押し続けると、拘束が緩み、抜けられるだけの隙間を確保できた。


 今が絶好のチャンスだ。

 ラウラはその隙を見逃すことなく、拘束から抜け出した。


「…これは、想定以上ですね」

「入力に対して、出力がまるで見合っていないよ…」


 あまりにもおかしい挙動。ラウラ達にとっても完全に、未知の振る舞いだった。


 しかもヴァーレアの言う通り、入れた量に対しての質量が、全く違う。本来なら成り立つ収支が、完全に崩壊している。

 こんな現場でなければ、じっくりと測定して、三徹も覚悟で研究に没頭するところであろう。


 だが、目の前に広がる状況は、それどころではない。


「バカな…!!拘束から抜けられたぞ!!」

「落ち着け!拘束を外されただけだ!!まだ、この牢獄には閉じ込められている!!」


 ーーーそう。縛られてないだけで、牢獄にいるような状況には変わりない。まだ突破などはできていないのだ。


 ラウラは突破しようと、空間の境目に手を触れようとした。ところがーーー。


「させるかよ!!」


 何もない空間から、大量の魔力弾が降ってくる。いかに魔力の衣で防御できていたとはいえ、無限ではないはず。回避可能ならば、回避した方がよい。ラウラはそう判断し、何とかその魔力弾をかわした。


 何とかして空間から出なければ。すでに、だいぶ時間が経ってしまっている。ペルセとイアノに、いらない心配をかけてしまうだろう。


 一刻も早く、帰らないとならないと言うのに。ソロモニアの連中は、牢獄へ触れることを許さなかった。


 ーーー捨て身でやるのもやむなしなのか。

 攻撃をかわしながら、そんなことを考え始める。


 そんな時だった。


「女性一人を相手に、大の男が大人げないですわね」


 空気を切り裂くような、冷徹な令嬢の声が響き渡った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。