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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第八章 ソロモニアとの激突

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幼馴染のやり取り

「んんーっ…終わったぁ…」


 授業が終わり、ペルセは自席で両腕を伸ばす。ずっと座っていると、腕や肩が凝ってしまう。首を回すと、ポキポキ鳴っている音が聞こえてくる気がした。


「次の授業は…」


 ペルセは教室に掲示されている時間割を確認する。だが、ペルセが確認しきる前に、隣に座っていたミノトが声をかけてくる。


「次移動教室だよ、ペルセちゃん!」

「あ、そうじゃん!」


 ミノトに言われ、ペルセは慌てて引き出しから教科書と文房具を取り出した。


 しかしいざ時計を見ると、全力疾走しなければならない、というほどではない。実際、周りの生徒達の様子も、極めてのんびりとしたものだった。


「じゃあ行くよぉっと!?」

「さっきからうるさいぞ」


 今にもペルセの手を握って走り出そうとするミノトの首根っこを、ダリスが掴んだ。同級生を片手で軽々と止められるのは、狼の獣人ならではなのだろうか。


「やー!ダリス下ろしてよー!!」

「静かにしたら下ろしてやる」

「じゃあ下ろすまで騒ぐ!!」


 ミノトがジタバタしてても、ダリスはまるで動じていない。まるで飼い猫でも持ち上げてるかのような態度だ。


 その光景を見ても、周りのクラスメイトは特に何も言わない。ペルセにとっても、留学に来てから一週間の間で、何度か見てきた光景であったため、もう見慣れたものだった。


 最初は色々思うことがあったが、今更何か言う気も起きなくなっていた。


「…ダリス…とりあえず、移動しない?」

「そうだな」


 そのため、ペルセはミノトを無視してダリスへと話しかける。ダリスも特にそれを気にする様子はなかった。


「ペルセちゃんまで!?」

「お前の扱い方を分かってきたんだろ」


 事実上見捨てられたような立場となったためか、ミノトは愕然としていた。だが、ダリスはそれを見てもケラケラ笑うだけだった。


 ダリスとわちゃわちゃしてる時のミノトの態度を、いちいち気にしても仕方ない。それが、ミノトについて学んだことの一つだった。


「さー、とりあえず行くぞー」

「分かった、分かったから下ろして!?自分で歩くから!!」

「下ろしたら騒ぐだろお前」

「さすがにこの姿のままで連行されるのは恥ずかしすぎる!!」


 ミノトにそう言われて、ダリスは舌打ちをしながらようやくミノトをおろした。


 解放されたミノトは、大きく安堵のため息をつき、ペルセの方を見てきた。


「じゃペルセちゃん、行こっか」

「…ビックリするくらい切り替え早いよね、ミノト」

「ひひひ」


 ミノトはクスクス笑いながら、荷物を抱えて教室の出入り口へと向かう。

 休日に二人で遊びに行った時も、切り替えの早さに時々驚かされたものだ。


 ダリスも同じことを思っていたのか、ウキウキな様子のミノトを見て、頭を抱えてため息をついていた。


「全く…アイツの母ちゃんは滅茶苦茶しっかりした人だってのに、アイツは…」

「アハハハ…」


 ダリスの呟きに、ペルセは苦笑いすることしかできなかった。


 ミノトの母のことは知らないが、ダリスが言うのならちゃんとした人なのだろう。


「二人とも早くぅー」

「…行くか」


 教室の出入り口で、ミノトが呼んでいる。それに応えるように、ダリスとペルセは教室を出ることにした。

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