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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第七章 迫りくるラウラの過去

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ソロモニアとは

 ペルセは不思議そうに首を傾げながら、周りを見ている。

 ラウラ、ヴァーレア、そしてイアノでさえ、険しい表情になっている。


 イアノとヴァーレアからは特に何も聞こえてこないが、ラウラからはソロモニアという名前に対する恨みに近い感情が見える。


 わざわざこんな場を設けてることから、好意的には見ていないであろうことは分かっていたが、自分のシャットアウトを突破するほどの強い恨みなのか。


「…それって、どんな組織なの?」

「隣国、ドゥローラに拠点置く悪魔崇拝組織です」


 知らない名前が出てきた。

 ドゥローラ。人間界の国の名前なのだろうか。


 ーーーそもそも、人間界の地理関係が分からない。ペルセはわけが分からず、再度首を傾げた。


 すると、ラウラは手元に一枚の、丸められた大きな紙を魔力を使って転送すると、机の上に広げた。


「今、アナタがいる国がここ、エスカンになります」


 ラウラはそう言うと、地図の中心部を指差す。そこには確かに、「エスカン」という名前が書かれている。


 ラウラはそこから陸続きになっている地図上を指でなぞっていく。しかし、すぐになぞりを止め、「ドゥローラ」と書かれてる場所で指を止めた。


「ここが、ソロモニアの拠点となっている国、ドゥローラです」


 そう言われて、ペルセはエスカンとドゥローラを見比べる。地図上で見比べると、本当に陸続きで隣接している。

 川があったりするかもしれないが、やろうと思えばドゥローラからエスカンまで、徒歩でも行けるのではないだろうか。


「まぁ、今私たちがいるこの場所と、ソロモニアが拠点を構えるドゥローラが隣り合ってるってことだけ分かっておけば」


 ラウラはそう言いながら、地図を丸めていく。


 だが、場所だけ教えられてもペルセには分からない。そのままラウラの方を見つめていた。


「…ラウラ先生、その…ソロモニア?と、なんかあったんですか?」


 ずっと、ラウラの奥から聞こえてくるのだ。

 ソロモニアに対し、嫌悪感を募らせているような感情の声が。この異常なまでの嫌悪は、ただの好き嫌いでは済まないレベルだ。


 それを言われたラウラは、少し困ったような顔をしている。だが、鏡の中にいるヴァーレアが、声を上げ始めた。


「まぁ〜…ランちゃんだけじゃないんですよ。ボクも人生変わるレベルでソロモニアとは因縁がありますから」

「えぇ。ひいては、魔界との交流を断絶させた決定打ですものね」


 ヴァーレアの言葉に、イアノも便乗するように言った。


 自分の留学は、数百年ぶりの魔界の人間界の交流だと聞いている。だが、かつてソロモニアが魔界との交流を断絶させた要因であるとなるとーーー


「私、魔界に帰らなきゃいけない…?」


 その発想が浮かぶのも、当然ではあった。


 人間界の生活にも慣れてきた。ミノトとも仲良くなった。だと言うのに、予定よりも早く帰らなければならないのか。


 不安に思っていると、イアノがペルセの頭にそっと手を置いてきた。


「…大丈夫ですわ、ペルセちゃん。もしこの件で留学を中止にする決定を下すのならば、私が来た時点で、アナタを即刻連れて帰ってるところですわ」

「そうなの…?」

「デメナ様が嘆いておられましたわ。『もし可能なら自分と主人で殴り込んでやるところなのに』と。さすがに外交問題に発展しかねないので止めましたが」


 イアノが少しおちゃらけて言うものだから、ペルセは思わず吹き出した。

 あの過保護な両親なら、言いかねない。


「…私とソロモニアの因縁は、数百年前にも遡ります」


 一通りそのやりとりを見たラウラが、ゆっくりと話し始めた。

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