プリクラとの初遭遇
「あとペルセちゃんと一緒にできそうなのは、何があるかな〜」
ミノトはゲームセンターの中を歩きながら、あちこちを見ている。少し歩いただけでも、色々な機材が密集しているのが分かる。
だが、やっぱりペルセには何の機械かは全く分からない。ペルセはあまり気にすることなく、ミノトの後をついていった。
「あ、あれとかいけそう!!」
ミノトは何かを見つけると、再び声をあげた。全力疾走こそしなかったが、駆け足でどこかへ向かって移動していく。ペルセも慌てて、その後をついていった。
そこには、垂れ幕のついた大きな箱のような機械があった。その機械にはきれいな女性の顔が掲載されたりしており、何だか先ほど行ったスイーツ屋に負けないくらいのファンシーさを感じる。
「…えーと…これは、何?」
「プリクラ!!」
戸惑いつつ尋ねると、ミノトは食い気味に答えてきた。名前だけ聞いても、何をする機械なのかが全く分からない。
垂れ幕の向こう側には、先客がいるらしく、その中からは女性同士の話し声が聞こえてくる。
ゲームセンターの音にかき消され、話の中身はハッキリとは聞こえないが、時折シャッター音も機械の中から聞こえてくる。
ーーーわざわざゲームセンターで写真を撮るのか。ペルセは不思議に思いながら、その機械を見つめていた。
「これ、ヤバくない!?」
「うわ、目大きくしすぎでしょ!!」
「もっとデコレーション入れよ!!」
「すごいキラキラ!!」
かろうじて聞こえる、中の女子の会話に耳を向けた。目を大きくするとか、デコレーションを入れるとか言ってることからすると、ただ撮って終わり、というわけではなさそうだ。
隣にいるミノトを見ると、明らかにソワソワしている。そんなに楽しいことなのだろうか。
ふと、プリクラの機械の側面に書いてある、「写真の撮り方」という文字が目に入る。そこには、この機械の取り扱い方と思われる説明が書かれていた。
その中でも、一際目を引かれるポイントがあった。
「…写真の、加工…?」
書かれてる内容によると、機械で撮った写真に、好きなように加工を行うことができるらしい。
例えば、顔のパーツを少し書き換えてみたり、肌の色をより白くしてみたり、写真の周りにキラキラしたエフェクトをつけてみたり、など。
中にいる女子達も、撮った写真に対し、そういった加工をやっているのか。相変わらず中で騒いでいる女子達を一瞥した後、ミノトへと視線を向けた。
「…ミノト」
「ん?」
「プリクラって、写真を加工するの?」
ペルセは何気なく尋ねてみただけのつもりだった。だが、その言葉に対し、ミノトは鼻息荒く口を開いた。
「そうなんだよ!これで記念写真撮って、いい感じに加工するんだけど、その加工が楽しいんだよ!!」
「へ、へぇ〜」
「写真もその場で手にできるから、最高の思い出になるじゃん!!」
ミノトはプリクラの魅力を、熱く語ってきた。
ここが、ゲームセンターみたいな騒がしい場所で良かった。ミノトが騒いでも、然程気にする者はいない。先程までいたスイーツ屋だと、こんな興奮していたら、注目の的だっただろう。
思わず、ペルセもタジタジになる勢いだった。
「いや〜、マジいいのが撮れた」
「あんた盛りすぎでしょ」
「いいじゃん、プリクラなんだしさ」
すると、先客として入ってた女子達が、プリクラの中から出てきた。自分達よりも、明らかに年上ので、少し派手目の女子達だった。
「み、ミノト!空いたみたいだよ!」
「お!じゃあ行こうか!!」
先客が出たことをミノトに伝えると、ミノトはそのままペルセと共に、プリクラの中へと入った。




