ぬいぐるみゲット
クレーンゲームの取り出し口から、大きなぬいぐるみが出てくる。
本当に、取れた。だが、これをもらってもよいのか。ペルセはどうすれば良いか分からず、出てきたぬいぐるみを見つめていた。
「す、すごい!!本当に取るなんて!!ペルセちゃん、本当に初めてなんだよね!?」
「え、う、うん…初めて、だけど…」
大興奮した様子で迫ってくるミノトに、ペルセは戸惑いを隠せなかった。ミノトはぬいぐるみを取り出した。
ーーー改めて見ると、大きい。ふれ合いランドで見た実物のウサギよりも、少し大きいくらいのサイズだろうか。
「これ、私の…?」
「そうだよ!ペルセちゃんが取ったんだもん、ペルセちゃんのものだよ!!」
ミノトはそう言うと、ぬいぐるみをペルセに渡してきた。
ーーーフワフワだ。実物とはかなり異なるが、触り続けていたくなる感触だ。
「…私が、取ったんだ…えへへ」
何だか、嬉しくなる。ぬいぐるみを軽く抱きしめ、ペルセは頬を緩めていた。
「良かったね!ペルセちゃん!!」
隣にいるミノトも、自分のことのように喜んでいる。その反応が、このぬいぐるみが取れたという事実を、現実であると認識させてくれる。
ーーーこんな経験も、初めてだ。
「羨ましいよ〜。私、一度もクレーンゲームで商品取れたことないのに〜」
「…そうなの?」
ミノトはペルセが抱きかかえるぬいぐるみを、羨望の眼差しで見つめてきていた。
自分で渡してきておいて、何なのだろうか。そんなことを思いながら少し警戒していたが、ミノトはペルセからぬいぐるみを奪おうとはしてこない。
「私も次こそ、そのぬいぐるみを自分で取る!!」
「あ、うん。それはいいんだけど、お金大丈夫?」
この勢いだと、ずっとミノトがクレーンゲームに張り付いたまま動かない、なんてことになりかねない。
それに、先程スイーツ屋さんでミノトの財布の中身が少し見えたのだが、然程お金が残ってるようには見えなかった。
ペルセの言葉に、ミノトは固まった。そして、震えながら自身の財布の中身を確認する。そして、少し悲しげな顔で、ペルセを見つめてきた。
「…あと、千ちょっと…」
「…別のやろっか。まだ、色々あるんじゃないの?」
「そうだね…」
ミノトはクレーンゲームに未練を残しながらも、諦めることにしたようだ。
財布をしまい、クレーンゲームから離れていく。
次は、どんなのが待ち構えているのだろうか。ぬいぐるみを抱きしめ、ペルセはワクワクしながら、ミノトの後をついていった。




