新たな文化への接触
「やー、食べた食べたー。美味しかったでしょ、ペルセちゃん」
「…うん、すごく美味しかった」
会計を済ませた後、二人は店を出て歩き始めていた。ペルセもすっかりミノトのペースに慣れ、隣を歩きながら、ミノトとお喋りをしていた。
「でも〜…まだ連れていきたいところは、あるんだよね」
「…ホントに体力無尽蔵だね」
「楽しいことをやるんだもん、別腹だよ!!」
ミノトの体力の、底が見えない。もはや、尊敬を通り越して、若干その元気さに、呆れさえ生まれるほどであった。
だが、次はどこに連れて行かれるのか。ミノトがどこに案内しようとしてるのか。
ーーーミノトがどう行動するのかを、楽しみにしてるのもまた、事実だった。
「…それで、次はどこ行くの?」
「次はね〜…あ、あそこ!!あそこ行こう!!」
そう言うとミノトは、再びペルセの手を掴んで、走り始めた。
前言撤回。やはりこのペースに慣れることは、まだ当分難しい。ペルセは再び引っ張られていった。
ミノトの視線を辿ると、そこにあったのはゲームセンターだった。赤く染められた目立つフレームが特徴的な建物の中に、様々な機材が置いてある。
ゲームセンター自体は、魔界にもあった。だが、魔界のゲームセンターはもっと、独特な魔力が漏れ出ていて、子供だけだと少し近寄り難い雰囲気があった。
だが、今目の前にあるゲームセンターに、その気配は全くない。中から聞こえる音こそうるさそうだが、近寄り難さは全く感じられなかった。
「ゲームセンターだよ!ペルセちゃん、行ったことある…?」
ミノトにそう聞かれ、魔界での生活を思い出す。
確か、一度だけ入ったことがあった。ハイーラとマールと一緒に、三人で。
ただ、その時はお金をあまり持っておらず、あまり楽しめなかった記憶がある。
「一回だけ行ったことはあるけど、遊んだ記憶はないなぁ…」
「お!じゃあ、色々遊んでみようよ!!」
ミノトはそう言うと、ゲームセンターに向けて歩いていく。ペルセも、その横に並んで歩いていった。
「ところで、どういうゲームがあるの?」
「色々あるよー。レースゲーム、格闘ゲーム、音ゲー、シューティングゲーム…」
何気なく聞いてみたが、ピンとくるものが一つもなかった。だが、これも人間界の娯楽の中の一つ、ということなのだろうか。
「でも、ペルセちゃんはあんまりゲームの経験もないんだよね?」
「…うん」
「じゃあ、初心者向けのを選ぼっと」
ミノトはそう言いながら、ゲームセンターの方へと視線を向ける。
様々な機械が置いてある事自体は分かるし、その機械の画面がギラギラ光っているのも外から見て分かる。だが、その画面に何が書かれていて、何を意味しているのかは一つも分からない。
一体、今度は何が出てくるのか。若干の恐怖と、強い好奇心を抱えながら、ペルセはミノトと共にゲームセンターへと入った。




