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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第六章 人間界の休日

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人間界の服装と、ペルセの服

 ペルセは注文を待つ間、暇なので店内を見回してみた。


 店内には家族連れやカップルで来ている客が多い。だが、自分達と同じように、子供だけで来ている客もいた。


 ミノトの話だと、ここは特に、女子中高生に人気の店の一つらしい。ミノトは小学生なのでは、と思ったが、そこには触れないことにした。


 言われてみると、確かに自分達よりも少し年上の女子も、少なくない人数いる。その女子達の中には、少し落ち着いた格好の者から、逆に極端に派手な格好をしてる者もいた。


「…ミノト」

「ん?」

「人間界の女の子って…色々な格好してるね」

「…あ〜…」


 ペルセにそう言われたミノトは、少し困ったような反応をした。


「まぁ…迷惑にならないようにしながら、好きな格好をしてるだけなんだよ、皆」

「好きな、格好…」


 ミノトのその言葉で、ペルセの頭の中には、同居している保護者であるハイーラとマール、そして実母のデメナの姿が浮かんだ。


 ーーーハイーラはメイド服だし、マールは肩出しの紫ワンピース。デメナに至っては、下半身こそ普通のスラックスだが、上半身は若干セクシーな服装だ。


 特にハイーラは、以前「メイド服着てるのは、趣味もあるし、単純に動きやすいのよ!」と言っていた。その感覚なのだろうか。


「でも私、お母さんに可愛い服を買ってもらえないんだよー…」

「え?何で?」

「『子供なあんたにはまだ早い!』って…。何でなのさ〜…」


 ミノトは不満げにそう言いながら、机に突っ伏す。机の下では、脚をバタバタさせていた。


 ーーー別に、私服姿のミノトを見ても、特に強い違和感はない。むしろ、制服姿のミノトしか見たことがなかったため、ちょっと新鮮ではある。


「逆に、ペルセちゃんはどうなの?服とか」

「服?うーん…よく分かんない…」


 ミノトに聞かれても、それが本心だった。

 自分が初めてダスノムから出てきた時に、マールが突貫で作ってくれた、膝下まである長袖の黒いワンピース。

 多少の作り直しであったり、手直しはされているが、この系統の服ばかり着ているだけで、別の服に手を出そうとは考えておらず、ハイーラ達に頼む気もなかった。


「ペルセちゃん、お母さんに可愛い服買ってもらいなよ!絶対似合うから!!」

「そ、そういうもの?」

「本音を言えば私がコーディネートしたいけど…それやったら多分お母さんにめちゃくちゃ怒られる…」

「え、どうして?」

「無駄遣いするな、って…」


 ーーー服は、そんなにお金がかかるのか。服なんて自分で買った経験がないため、あまり感覚が掴めない。


 だが、可愛くなるとどうなるのか。それは純粋に気になることではあった。


「お待たせしましたー。ショートケーキ二つと、ミルクココア二つです」


 何か言葉を続けようと思ったが、その会話に割り込むように、店員が二人の座る席へとやってきた。その手には、ケーキが二皿と、湯気をあげるカップが二つあった。


 店員は静かに、そのケーキとココアを、二人の前に差し出した。


 ーーー美味しそうだ。今まで嗅いだことがない、甘い匂いがペルセの鼻を刺激する。


「やっぱり美味しそー!」


 店員が席から離れると、ミノトは先程までの不満げな様子から打って変わって、フォークを握りしめた。

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