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「は〜…楽しかった〜…」
ふれ合いウサギランドから、ご満悦な様子のミノトが出てくる。ペルセも楽しそうな様子で、その後ろをついきていた。
思えば、魔界で動物と接する機会はあまりなかった。だが、可愛い動物とふれ合うことが、こんなに楽しくて癒やされることだとは思わなかった。
「はー、はしゃぎ過ぎてお腹すいたな〜」
ミノトはそう言いながら、自身のお腹を擦っている。
時間を見ると、若干早いがお昼時と言っても差し支えないくらいの時間だ。ペルセ自身は然程お腹は空いていないが、お昼にしてもいいのかもしれない。
「ペルセちゃん、嫌いな食べ物とかある?甘い物とか」
「えっ?…うーん、別に嫌いじゃないけど…」
「おっ!じゃあさ、ちょっと行きたいお店あるんだー」
ミノトはそう言いながら再びペルセの手を握る。だが、今回はミノトが空腹状態にあることもあってか、引っ張ってはきても走り出しはしなかった。
先程よりもペースとしてはゆっくりだ。だが、ミノトの足取りは非常に軽快なものだ。
「ペルセちゃん、魔界だとどういう風に遊んでたの?」
「遊ぶ?」
「うん、お父さんとかお母さんとかと、こうやって遊んだりしてたんじゃないの?」
ーーーそういうものなのか。
魔界だと、動物とふれ合う娯楽施設を見かけることはなかった。もちろん、ショッピングや外食に行くことはあったが、基本は家の中で買ってきた玩具で遊んだりすることが多かった。
「…こうやってお出かけまですることは、多くなかったかな」
「え?そうなの?」
「うん。こうやって外でワイワイ遊ぶ、みたいなことはあまりやったことないかも」
ペルセがそう答えると、ミノトは口角を吊り上げた。
ーーー何だか、悪い笑顔だ。若干、嫌な予感がする。思わず、少し引いてしまう。
「み、ミノト?どうしたの?」
「ん〜?んふふ」
恐る恐る尋ねても、ミノトは笑ってごまかすだけで、何も答えてくれない。だが、その表情は心底楽しそうであった。
「こりゃ、腹ごしらえしたら、またどんどん遊ばせないと、ってだけだよ!」
「え、えぇ〜…?」
ミノトの瞳は、謎の決意に満ちているように見える。どうやら、ミノトの中でいらぬスイッチを入れてしまったようだ。
先程のウサギふれ合いランドだけでも新鮮で、ペルセとしてはかなり楽しめたのだが。
「あ、見えてきた!!あそこあそこ!!あの店のスイーツ、絶品なんだよ!!」
そう言いながら、ミノトはとある看板を指さした。ピンク色の、何だか可愛らしい看板だ。
ミノトはその看板の方へと、歩みを加速させた。
ーーーこの様子だと、しばらく解放してくれそうにない。ペルセは苦笑しつつ、そんなミノトに手を引っ張られ続けていた。




